Pornhub英国撤退で浮き彫りになる年齢認証の限界
Pornhubが英国から撤退。オンライン安全法の年齢認証要求に抗議する一方、他の成人サイトは野放し状態。デバイス認証が解決策となるか。
77%。これは英国でオンライン安全法が施行された後、Pornhubのトラフィックが減少した割合だ。しかし皮肉なことに、この数字が示すのは規制の成功ではなく、その限界かもしれない。
規制の抜け穴が露呈
Pornhubは2月2日、英国でのサービスを事実上停止すると発表した。新規ユーザーの登録を停止し、既存の認証済みユーザーのみがアクセス可能となる。同社は英国の年齢認証法について「欠陥のあるシステム」だと批判している。
昨年7月に施行されたオンライン安全法は、未成年者がポルノコンテンツにアクセスすることを防ぐため、顔認識スキャン、身分証明書のアップロード、クレジットカード確認などの年齢認証を義務付けた。しかしPornhubの親会社Ayloのコンプライアンス担当バイスプレジデント、ソロモン・フリードマン氏は驚くべき実態を明かした。
Google検索で「free porn」と入力した際の上位10サイトのうち、6サイトが年齢認証法を遵守していないのだ。つまり、法律を守る大手サイトは撤退し、規制を無視するサイトが野放しになるという本末転倒な状況が生まれている。
テック大手の沈黙
Ayloは昨年11月、Apple、Google、Microsoftにデバイスベースの年齢認証システムの導入を求める書簡を送った。これは個人データを第三者サイトではなく、ユーザーの端末内で処理する仕組みだ。しかし、これまでのところ3社からの回答はない。
Microsoftは以前、年齢認証はサービスレベルで適用されるべきだとの方針を示し、Appleは18歳未満のユーザーにはデフォルトでウェブコンテンツフィルターを有効にしていると説明した。Googleの広報担当者は、同社のアプリストアでは成人向けアプリは提供されておらず、Ayloのような企業は「自らの法的・責任義務を果たすための特定のツールに投資する必要がある」と述べている。
日本への示唆
米国では25州が年齢認証を義務化し、Pornhubはその大部分から撤退している。しかし興味深いことに、VPNを使えば簡単に回避できるため、米国は依然として同サイトの最大のトラフィック源となっている。
日本でも青少年保護の議論が活発化する中、英国の事例は重要な教訓を提供する。規制の実効性を高めるには、個別サイトへの対応ではなく、プラットフォーム全体での包括的なアプローチが必要かもしれない。
Pornhub側は、Google Imagesが「オンラインで利用可能なあらゆるポルノ画像のサムネイルをキャッシュしている」と指摘し、現行の年齢認証法がソーシャルメディア上の露骨なコンテンツには何ら対処していないと批判した。
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