暗号資産で株式投資する時代が来た
Ondoが**20億ドル**規模の資産トークン化で実現する「オンチェーン証券会社」構想。日本の投資家にとって何を意味するのか?
20億ドル。これはOndoが管理するトークン化された米国債の総額です。わずか数年前まで「実験的」と呼ばれていた資産トークン化が、いまや本格的なビジネスへと成長しています。
トークン化資産の急成長
Ondoのイアン・デ・ボーデ社長は、2025年を同社の「ブレイクアウト年」と表現しました。同社は現在、トークン化された米国債の発行において業界をリードし、20億ドルを超える資産を管理しています。
さらに注目すべきは、トークン化された株式とETFを扱うGlobal Marketsプラットフォームが約6億ドルの資産を預かり、この分野で60%の市場シェアを獲得していることです。マスターカードやJPモルガンといった伝統的金融機関との提携も発表され、従来の金融システムとブロックチェーンの橋渡し役としての地位を確立しています。
「土地の奪い合い」段階
しかし、デ・ボーデ社長は現在の状況を「土地の奪い合い」と表現し、収益化よりもインフラ構築を優先していると説明しました。銀行、資産運用会社、カストディアンが競ってオンチェーン資産を展開する中で、Ondoは「パイプ」の構築に注力しています。
従来の金融市場と比較すれば、トークン化された資産の規模はまだ微小です。それでも、アジアを中心とした海外市場では着実に需要が拡大しています。同社のトークン化株式プラットフォームは9月のローンチ以来、わずか3日を除いて毎日純流入を記録しているといいます。
新たな取引インフラの構築
Ondoの次の一手は、Ondo Perpsという株式・商品の永続先物取引プラットフォームです。既存の取引所がステーブルコインのみを担保として受け入れるのに対し、Ondo Perpsではトークン化された株式やETFも担保として利用できます。
この設計は、マーケットメーカーを引きつけ、流動性を深め、より洗練された取引戦略を可能にすることを目的としています。バイナンスウォレットや新たに発表されたMetaMaskとの統合により、特にアジア地域での普及が加速しています。
オンチェーン証券会社への野望
永続先物は、Ondoの長期的なビジョンである「オンチェーン・プライムブローカレッジ」への第一歩に過ぎません。デ・ボーデ社長は、投資家が暗号資産、株式、ETF、デリバティブを24時間取引できる統合アプリケーションの需要が高まると予測しています。
同社は中央集権型取引所やウォレットとの提携を通じて、トークン化された伝統的資産を暗号資産取引のワークフローに組み込む計画です。これは単なる技術的統合を超え、金融サービスの根本的な再構築を意味します。
日本市場への示唆
日本では、SBI証券や楽天証券が暗号資産サービスを拡充していますが、トークン化された伝統的資産の取り扱いはまだ限定的です。Ondoのアプローチは、日本の投資家にとって新たな選択肢を提供する可能性があります。
特に、24時間取引可能な環境は、日本の個人投資家にとって魅力的です。従来の証券取引所の営業時間に縛られることなく、グローバル市場へのアクセスが可能になります。
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