エヌビディア株、AI投資ブーム下でも足踏み続く
AI関連投資が記録的水準に達する中、エヌビディア株は6カ月間低迷。投資家の期待値調整と収益性への疑問が背景に
6000億ドル。これは2026年にメタ、アルファベット、マイクロソフト、アマゾンなどのビッグテック企業がAIインフラに投じる予定の投資額だ。しかし皮肉なことに、このAI投資ブームの最大受益者とされるエヌビディアの株価は、過去6カ月間ほぼ横ばいで推移している。
AI投資の中心にいるのに、なぜ株価は動かないのか
エヌビディア株は2025年末に史上最高値を記録した後、金曜日の朝には2%近く下落した。8月以降の上昇率はわずか2%未満で、市場全体の指数をかろうじて上回る程度だ。同じ期間にTSMCは52%、AMDは12%上昇していることと比較すると、その停滞ぶりが際立つ。
グローバルなAI関連設備投資は記録的な水準で増加し続けている。企業の機械学習計算とデータセンターへの投資は数年にわたって急増しており、2026年もその勢いは続く見込みだ。
問題は、この現実と株価のギャップが何を意味するのかということだ。アドバイザーズ・キャピタル・マネジメントのジョアン・フィーニー氏は「AIから得られる最終的な収益が、発表された設備投資に見合わないのではないかという懸念が高まっている」と分析する。
投資家の期待値調整が進行中
エヌビディアへの需要は依然として堅調で、収益予測も多くの競合他社を大きく上回っている。それにもかかわらず、株価の評価倍率は圧縮されている。現在の株価は予想利益の約24倍で、これはナスダック100とほぼ同水準、S&P 500をわずかに上回る程度だ。高成長AI銘柄としては歴史的に見て割安な水準といえる。
市場関係者は停滞の背景にいくつかの要因を指摘している。数年間の加速的な設備投資の後、テクノロジーインフラ支出の成長が鈍化し、データセンター向けチップの受注ペースが減速する可能性があるという懸念だ。
UBSのアナリストは2月10日のレポートで「設備投資の成長はこの水準から鈍化する可能性が高く、これは投資を行う企業への投資家の見方を改善する可能性があるが、実現技術レイヤーの一部企業にとっては潜在的なマイナス要因だ」と警告している。
日本企業への波及効果と競争激化
エヌビディアの停滞は、日本の半導体関連企業にも影響を与える可能性がある。ソニーのイメージセンサーや東京エレクトロンの製造装置など、AI需要の恩恵を受けてきた日本企業も、市場の期待値調整の影響を受けるかもしれない。
競争環境も変化している。グーグルのTPUチームや新興企業がAIプロセッサを開発し、エヌビディアの支配的なGPUに代わる選択肢を提供している。これが長期的な期待値に圧力をかけている要因の一つだ。
投資家は2月25日の市場終了後に発表されるエヌビディアの四半期決算を注視している。この決算が株価のレンジブレイクの契機となるか、それとも停滞が続くかの分岐点となる可能性が高い。
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