韓国国家情報院、前長官らへの告訴を取り下げ。2020年北韓殺害事件の隠蔽疑惑は無罪へ
韓国国家情報院(NIS)は、2020年の北韓殺害事件隠蔽疑惑で告訴していた徐薫元安保室長らへの訴えを取り下げ、公式に謝罪しました。裁判所の無罪判決と内部監査の結果を受けた異例の措置です。
昨日までの疑惑が、公式な謝罪へと変わりました。韓国の最高情報機関である国家情報院(NIS)は、2025年12月29日、前政権の安保幹部らに対する告訴を取り下げると発表しました。これは、北韓(北朝鮮)による韓国公務員殺害事件の隠蔽に関与したとされた人々が、裁判で無罪判決を受けたことに伴う措置です。
国家情報院による異例の謝罪と告訴取り下げの背景
国家情報院によると、今回の決定は徐薫(ソ・フン)元国家安保室長や朴智元(パク・チウォン)元国家情報院長らに対する特別監査と点検を経て行われました。同院は、当時の告訴内容に「事実関係および法的側面での問題」があったことを認め、「不当な告訴によって苦痛を与えたことを、当事者と国民に心から謝罪する」と表明しました。
この問題の端緒は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権下の2022年7月に遡ります。当時、国家情報院は文在寅(ムン・ジェイン)政権が2020年の公務員殺害事件や2019年の北韓漁師強制送還を隠蔽・主導したとして、元幹部らを告訴していました。しかし、今月上旬、ソウル中央地裁は証拠不十分として被告全員に無罪を言い渡していました。
2020年北韓殺害事件の経緯と法的争点
事件が起きたのは2020年9月22日です。海洋水産部の公務員だった李大俊(イ・デジュン)氏が、黄海(西海)の北方限界線付近で北韓軍に射殺され、遺体を焼却されました。前政権はこの事件を「自発的な越北(北への逃走)」と判断しましたが、後の政権交代後にその根拠が不十分であるとして、隠蔽の疑いで捜査が進められてきました。
現在の李在明(イ・ジェミョン)政権発足後に行われた再調査では、公権力の行使には慎重であるべきだという教訓が強調されています。国家情報院は今後、告訴などの公権力行使において、より「慎重かつ厳格」な基準を適用する方針を示しています。
記者
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