NASAの巨大ロケット、15年で3兆円投入も「遅すぎる宇宙開発」の現実
NASA史上最大のSLSロケットが15年間で3兆円を費やしながらも、度重なる遅延で宇宙開発競争に遅れをとっている現状を分析
15年間で300億ドル(約3兆円)を投じながら、いまだに満足に飛べないロケットがある。NASAのSpace Launch System(SLS)だ。
「世界最大」が抱える根本的な問題
SLSは確かに史上最大級のロケットだが、その巨大さこそが最大の弱点となっている。特に液体水素燃料の扱いが極めて困難で、燃料注入テストだけで何度も失敗を重ねている。
2022年3月に格納庫から運び出されたSLSは、燃料注入の予行演習である「ウェットドレスリハーサル」で3回連続の中止を経験した。4月に格納庫へ戻り、6月に再び発射台へ。この一連の作業だけで数ヶ月を要している。
問題は技術的な複雑さだけではない。地上設備も含めたシステム全体が、1970年代のスペースシャトル時代の設計思想から抜け出せずにいる。現代の宇宙開発に求められるスピードと効率性とは正反対の方向を向いているのだ。
民間との圧倒的な差
同じ期間にSpaceXは何を成し遂げたか。2010年に設立されたこの会社は、すでに100回以上の打ち上げを成功させ、1回あたりのコストを10分の1以下に削減した。再使用可能なロケット技術で業界の常識を覆している。
一方、SLSは1回の打ち上げに40億ドル(約4000億円)かかる見込みだ。これはSpaceXのFalcon Heavyの約20倍に相当する。しかも使い捨てなので、打ち上げるたびにこの巨額な費用が発生する。
日本の宇宙開発にとっても他人事ではない。JAXAのH3ロケットも開発に時間を要しているが、SLSほどではない。むしろ日本企業にとっては、低コスト化が進む宇宙産業で新たなビジネスチャンスを見出す機会かもしれない。
政治と技術のジレンマ
SLSが抱える問題の根源は技術ではなく政治にある。このプログラムは全米50州のうち44州で部品製造が行われており、雇用創出という政治的な目的が優先されている。
効率性よりも雇用、革新よりも既存産業の保護。これが現在のSLSプログラムの実態だ。NASAの技術者たちも、この構造的な制約の中で最善を尽くしているが、根本的な解決には政治的な決断が必要になる。
中国が独自の宇宙ステーション建設を完了し、インドが低コストでの月面探査を成功させる中、アメリカの宇宙開発は官僚的な非効率性に足を取られている。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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