欧州ディープテック投資の新潮流:7500億円ファンドが挑む「死の谷」問題
欧州のディープテック・気候技術スタートアップが直面する成長資金不足問題に、スペイン拠点のケンバラ・ファンドが7500億円規模で挑戦。日本企業への影響は?
欧州のスタートアップシーンで、ある深刻な問題が浮き彫りになっている。大学発のディープテック企業は初期段階では豊富な資金を調達できるものの、シリーズB段階で資金調達に失敗し、倒産に追い込まれるケースが相次いでいるのだ。
この「死の谷」問題に正面から挑むのが、スペイン拠点のムンディ・ベンチャーズが新設した7億5000万ユーロ(約1200億円)規模のケンバラ・ファンドIである。同ファンドは最終的に12億5000万ユーロ(約2000億円)まで拡大する可能性もある。
失敗から学んだ教訓
ケンバラ共同創設者のヤン・デ・フリース氏は、この問題を身をもって体験した人物だ。元アトミコパートナーだった彼は、ドイツの電動航空機スタートアップリリウムの経営陣として転身したが、同社は10億ドル以上を調達し上場まで果たしたにもかかわらず、2024年に事業停止に追い込まれた。
「リリウムが破綻したのは、必要な成長資金を見つけられなかったからです」とデ・フリース氏は振り返る。「欧州にはイノベーションの問題も、スタートアップの問題もありません。問題はスケールアップにあるのです」
この「トラウマ的な経験」が、ケンバラの投資戦略の核心を形作った。同ファンドはシリーズB・C段階に特化し、1社あたり1500万~4000万ユーロの初期投資を行い、最終的には1億ユーロまで追加投資する計画だ。
新しい資金調達アプローチ
ケンバラが従来のVCファンドと異なるのは、株式投資だけでなく「希薄化しない資金調達」を商品化している点だ。デ・フリース氏は「株式のみでの資金調達は非常に困難で、企業を厳しい状況に追い込む」と指摘する。
ファンドには、投資だけでなく共同投資も希望する機関投資家が参加している。特に欧州の政府系ファンドや企業からは、地政学的な観点から欧州のディープテック企業を支援したいという強いニーズがあるという。
日本企業への示唆
ケンバラの投資対象には、量子コンピューティング、半導体、宇宙技術、さらには「欧州の主権を守る」ための軍事・防衛技術も含まれる。これらの分野で先行する日本企業にとって、欧州市場での競争環境が大きく変わる可能性がある。
特に注目すべきは、同ファンドが「グローバル・チャンピオン」の育成を目指している点だ。デ・フリース氏はディープマインドを例に挙げ、「成長資金が不足していたために早期売却せざるを得なかった」と指摘する。グーグルが2014年に5億ドルで買収した同社は、現在数十億ドルの価値があると推定されている。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
関連記事
2040年の銅供給不足(25%の欠乏)を回避するため、Transition Metal Solutionsが微生物の能力を最大化する「プレバイオティクス」技術で600万ドルの資金を調達。採鉱効率を30%向上させる新手法の全貌を解説します。
2025年に誕生したユニコーン企業を徹底解説。AI、宇宙開発、エネルギー分野で評価額10億ドルを超えたReflectionやTempoなどの最新ランキングと、VCによる投資トレンドをPRISMが分析します。
Lux Capitalが過去最大の15億ドル規模となる第9号ファンド「Lux Capital 9th fund」をクローズ。国防テックやAIへの先見的な投資実績が背景にあります。
2026年、オーストラリアの量子コンピューティング新興企業が実用化に向けて躍進。Q-CTRLなどの事例を交え、2030年の技術リーダーを目指す国家戦略を分析します。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加