テレグラムの闇:数千人の男性が女性を標的にした監視ツールを売買
欧州の研究機関AI Forensicsが、テレグラム上で女性を標的にしたハッキング・監視サービスの売買コミュニティを調査。280万件のメッセージを分析した調査結果が示す、デジタル時代の新たな暴力の実態とは。
あなたのパートナーが、あなたのスマートフォンのギャラリーに「アクセス済み」かもしれない。その権限は、月額わずか5ユーロ(約800円)で購入できる。
280万件のメッセージが明かした現実
欧州の非営利アルゴリズム監査機関 AI Forensics は今年初め、6週間にわたってイタリア語・スペイン語の16のテレグラムコミュニティを調査しました。研究者たちが目にしたのは、女性を標的にした組織的な監視・ハッキングサービスの売買市場でした。
分析対象となったメッセージ数は約280万件。2万4,000人以上のメンバーが、画像・動画・音声ファイルを合計8万2,723件投稿していました。スペイン語グループでは、1時間に数十件もの悪意ある画像が共有されていたといいます。
投稿内容は多岐にわたります。女性の同意なく撮影・流出した親密な画像(いわゆるリベンジポルノ)、AIを使って写真から衣服を除去する「ヌード化サービス」、ハッキングによるSNSアカウントへの不正アクセス、そして女性の住所・電話番号・SNSアカウントを特定・公開する「ドクシング」。さらに研究者たちは、児童性的虐待素材と称されるコンテンツの売買も確認しています。
「スパイしたい女性のギャラリーがありますか?そのためのボットを販売します」「パートナーのアカウントをスパイできます。DMを送ってください」——こうした投稿が、データセット全体で1万8,000件以上のスパイ関連メッセージとして記録されました。
「被害者は有名人ではなく、普通の女性」
AI Forensics の研究者 Silvia Semenzin 氏は、2019年から同様のイタリア語チャンネルを調査してきた専門家です。彼女が強調するのは、被害者の多くが著名人や芸能人ではないという点です。
「私たちは著名人が被害に遭うケースに注目しがちですが、実際の被害者の大多数は、自分の写真が共有・加工されていることすら知らない、ごく普通の女性たちです」と Semenzin 氏は言います。「この暴力の大半は、加害者が実際に知っている人物に向けられています」
つまり、これは見知らぬ他人への攻撃ではなく、元交際相手、妻、友人——身近な関係者が標的になるケースが多いのです。チャンネルへのアクセス料金は20〜50ユーロ(約3,200〜8,000円)、月額サブスクリプションは5ユーロから。技術的な知識がなくても、比較的安価に「監視ツール」を手に入れられる環境が整っています。
テレグラムの「自由」が生む構造的問題
テレグラム は現在、月間アクティブユーザー10億人以上を抱えるメッセージングアプリです。創業者の Pavel Durov 氏は「自由な言論の場」としての姿勢を強調してきましたが、その匿名性と大規模なネットワーク機能が、悪用の温床にもなっています。
Durov 氏はフランスで刑事捜査の対象となっており(本人は一貫して否定)、ロシアからのアクセス遮断の試みにも直面しています。テレグラム側は「カスタムAIツールを使って1日に数百万件のコンテンツを削除している」「今年だけで約1,200万のグループ・チャンネルをブロックした」と説明しています。
しかし研究者たちは、この対応が十分かどうかに疑問を呈しています。弁護士で EndTAB(テクノロジーを利用した虐待の終息)の創設者 Adam Dodge 氏はこう指摘します。「女性や少女を傷つけるために使える場であれば、必ず使われます。テレグラムが際立っているのは、匿名性、スピード、そして同じ考えを持つユーザーの大規模なネットワークを提供しているからです」
EUの「デジタルサービス法(DSA)」では、月間ユーザー4,500万人以上のプラットフォームを「超大規模オンラインプラットフォーム」として厳格な規制対象にしています。Semenzin 氏は、テレグラムをこのカテゴリに分類すべきだと主張しています。テレグラム側はDSAに準拠していると主張しますが、規制当局との緊張関係は続いています。
日本社会との接点
この問題は、遠いヨーロッパの話ではありません。日本でも「リベンジポルノ」被害は深刻で、2014年に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(リベンジポルノ防止法)が施行されました。2023年には不正アップロードへの罰則が強化され、2024年改正では削除請求の手続きも整備されました。
しかし、テレグラムのような国際的なプラットフォームで発生する被害への対処は、国内法だけでは限界があります。また、スマートフォンに密かにインストールされる「ストーカーウェア」の問題は日本でも報告されており、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害の文脈で深刻視されています。
AI Forensics の共同創設者 Salvatore Romano 氏は言います。「私たちが発見したネットワークは、はるかに大きな現象のごく一部に過ぎません。テレグラムがなければ、これほど大規模なユーザーベースを持つことははるかに難しかったでしょう」
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
関連記事
Metaが2件の訴訟で相次いで敗訴。SNSの「依存性設計」が初めて法的責任を問われた今、日本の子どもたちとプラットフォーム規制はどう変わるのか。
米国の2つの陪審員がMetaとYouTubeを未成年者への損害で有責と判断。Section 230の保護が崩れつつある今、日本のSNS規制と子どもの安全はどう変わるのか。
ロサンゼルスの裁判所がMetaとYouTubeにSNS依存による精神的被害で600万ドルの賠償を命じた。この判決は日本を含む世界のプラットフォーム規制にどう影響するか。
ロサンゼルスの陪審員がMetaとYouTubeに約3億円の損害賠償を命じました。自動再生・無限スクロールが子どもの精神を蝕むと認定されたこの判決は、日本社会にも深く問いかけます。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加