トークン化証券の未来、相互運用性なしに規模拡大は困難
DTCC、Euroclear、Clearstreamが警告。ブロックチェーンと従来金融システムの相互運用性なしでは、トークン化証券は高コスト・流動性分散に直面する。
世界最大の金融インフラ運営会社が、ある重要な警告を発している。3,000億ドル規模のレポ市場で既に活用されているトークン化証券が、このまま成長を続けるには根本的な課題を解決しなければならないというのだ。
分散した世界の現実
DTCC、Euroclear、Clearstreamの3社がボストンコンサルティンググループと共同で発表した白書は、現在の状況を率直に描写している。数十のパブリック・プライベートブロックチェーンがそれぞれ独自の標準、スマートコントラクト、決済設計を持ち、パイロットプログラムや実稼働システムを運営している。
この多様性が問題の核心だ。各ネットワークが孤立して運営されれば、資産は特定のチェーンに「閉じ込められ」、運営コストは高止まりし、取引量が増加するにつれて流動性は分散してしまう。
白書の著者たちは、単一の支配的な台帳が登場するという考えを否定している。代わりに「ネットワークのネットワーク」モデルへの移行を予測している。このモデルでは、標準、ゲートウェイ、規制されたサービスプロバイダーがデジタルシステムと従来システムを結ぶ役割を果たす。
「同じ資産、同じ権利、同じ結果」の原則
技術的な橋渡しだけでは不十分だと、報告書は指摘する。真の相互運用性には、資産と負債、所有権の認識、ライフサイクルイベント、台帳の最終性、法的執行力といった複数の層での整合性が必要だ。
これらが整合されない限り、クロスチェーンや国境を越えた取引には追加の照合手順が必要となり、約束された効率性の向上が削がれてしまう。白書が掲げる目標は明確だ:「同じ資産、同じ権利、同じ結果」。
日本市場への示唆
日本の金融機関にとって、この警告は特に重要な意味を持つ。みずほフィナンシャルグループや三菱UFJフィナンシャル・グループなどの大手銀行は既にデジタル資産への取り組みを進めているが、グローバルな相互運用性の欠如は日本企業の国際競争力に影響を与える可能性がある。
特に、日本の製造業企業が国際的なサプライチェーンファイナンスでトークン化資産を活用しようとする際、システム間の非互換性は取引コストの増加や決済の遅延につながりかねない。
白書は規制当局と市場参加者に対し、ガバナンス、標準、レジリエンスに焦点を当てたワーキンググループの設立を求めている。「今日の集団行動が、明日のレジリエントな市場を形作る」と述べている。
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