「ミス・トロット4」が示すK-バラエティの今
韓国ビジネスリサーチ研究所が2026年3月のバラエティ番組ブランド評価ランキングを発表。「ミス・トロット4」が首位を維持。ビッグデータが映し出すK-エンタメ産業の実態を読み解く。
オーディション番組一本が、50本の競合番組を抑えて首位に立ち続けている。それは偶然ではなく、データが証明した「熱量」の結果だ。
ビッグデータが測る「人気」の正体
韓国ビジネスリサーチ研究所(Korean Business Research Institute)は今月、2026年3月のバラエティ番組ブランド評価ランキングを発表しました。このランキングは、2月2日から3月2日にかけて収集されたビッグデータをもとに、消費者参加度・交流指数・メディア露出・コミュニティ認知度・視聴率指数という5つの指標を複合的に分析して算出されています。対象は韓国の人気バラエティ番組50本。単なる視聴率ではなく、SNSでの話題量やファンコミュニティの活動量まで含めた、現代的な「ブランド価値」を測る試みです。
その結果、オーディション番組「ミス・トロット4」(Miss Trot 4)が引き続き首位を維持しました。「トロット」とは韓国の伝統的なポップス様式で、かつては中高年層向けとされていたジャンルです。しかしこのシリーズは若い世代にも支持を広げ、シリーズを重ねるごとにその影響力を拡大させてきました。
なぜ「今」このランキングが重要なのか
K-POPやK-ドラマが世界市場で定着しつつある中、K-バラエティはまだ「次の波」として注目され始めた段階にあります。日本ではNetflixやHuluを通じてK-バラエティへのアクセスが容易になり、特に20〜30代女性を中心に視聴者層が拡大しています。
このランキングが興味深いのは、「何が人気か」だけでなく「どのように人気が形成されるか」を可視化している点です。視聴率だけでは捉えられなかったファンの熱量——コメント数、共有数、検索数——が数値化されることで、番組の「持続可能な人気」が測れるようになりました。日本の放送業界やコンテンツ配信事業者にとっても、この指標設計は参考になりうるものです。
日本市場との接点
ソニーミュージックやエイベックスなど、日本の大手エンタメ企業はすでにK-POPアーティストのプロモーションに深く関与しています。しかしバラエティ番組の領域では、日本企業の関与はまだ限定的です。K-バラエティが日本でさらに普及した場合、コンテンツ共同制作や出演者のクロスオーバー起用といった新たなビジネス機会が生まれる可能性があります。
一方で、日本のバラエティ番組制作者にとっては複雑な状況でもあります。K-バラエティの台頭は、国内コンテンツとの競争激化を意味するからです。ただし、ある業界関係者が指摘するように、「競争より共創」の視点に立てば、両国のコンテンツ産業が互いを高め合う可能性も否定できません。
記者
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