500年の時を超えた追跡:レオナルド・ダ・ヴィンチ DNA 分析が解き明かす天才のルーツ
レオナルド・ダ・ヴィンチ DNA 分析の最新研究。LDVPチームが聖児像などの遺物からダ・ヴィンチ本人のものと思われるDNA配列を回収。トスカーナ地方の共通祖先を持つE1b1b系統を特定。美術品の非破壊分析技術と、歴史的真贋判定への新たな可能性について解説します。
500年以上前、ルネサンスの巨匠が遺した作品に、彼の「設計図」が隠されていました。レオナルド・ダ・ヴィンチ DNA プロジェクト(LDVP)の研究チームは、ダ・ヴィンチの親族が書いた手紙や、有名な素描『聖児像』などの遺物を分析した結果、天才のルーツに繋がる可能性のあるY染色体DNA配列を回収したと発表しました。これは、科学者がダ・ヴィンチ本人のものと思われるDNAを特定した世界初の事例になる可能性があります。
最新の レオナルド・ダ・ヴィンチ DNA 分析 技術が捉えた「証拠」
サイエンス(Science)誌などで報じられたこの調査では、貴重な美術品を傷つけないよう、非常に繊細なスワブ(綿棒)による採取方法が採用されました。分析の結果、1452年にダ・ヴィンチが誕生したトスカーナ地方に共通の祖先を持つ、広範なE1b1b系統に属するDNAシグナルが検出されました。研究チームは「メタゲノミクス(環境中に存在するDNAを網羅的に解析する手法)」を駆使し、非ヒト由来のDNAが混在する中から、かすかな男性固有のヒトDNAを抽出することに成功したのです。
真贋判定への高い壁と科学の展望
しかし、これが「決定的な証拠」であると断定するには、まだ課題が残っています。フィレンツェ大学のダヴィデ・カラメッリ教授は、ダ・ヴィンチ本人のものと確定しているDNAサンプルが現時点で存在しないため、比較検証が極めて困難であると指摘しています。19世紀に彼の埋葬地が荒らされたことや、直系の平民の子孫が確認されていないことも、証明を難しくさせている要因です。
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