ヨルダン、シリア国境で麻薬密輸組織を空爆―旧アサド政権の「負の遺産」掃討作戦か
ヨルダン軍が12月24日、シリア国境地帯で麻薬・武器密輸組織に対する空爆を実施。旧アサド政権の資金源だった「カプタゴン」の密輸ネットワークが、政権崩壊後も地域の脅威となっている実態を解説します。
アサド政権は崩壊したが、「影の経済」は生き続けているようです。ヨルダン軍は12月24日水曜日、シリアとの北部国境地帯で麻薬・武器密輸組織に対する空爆を実施したと発表しました。これは、シリア国内の混乱が、ヨルダンの安全保障に直接的な脅威となっている現状を浮き彫りにします。
ヨルダン国営通信社ペトラによると、今回の空爆は「王国への武器・麻薬密輸を組織する多数の密売人を無力化」し、彼らがヨルダン領内への「発射拠点」として使用していた施設を標的としたものです。軍は「精密な情報」に基づき、地域のパートナーと連携して作戦を実行したと述べていますが、具体的な協力国名は明らかにしていません。
スウェイダ県での越境攻撃
シリア国営放送アルイフバリヤTVは、ヨルダン軍がシリア南部のスウェイダ県南部および東部の田園地帯にある拠点を空爆したと報じました。AFP通信の取材に応じた現地の住民は、「爆撃は極めて激しく、農場や密輸ルートが標的になった」と証言しています。英国を拠点とするシリア人権監視団は、戦闘機とヘリコプターが空爆に参加したと報告しており、現場の写真からはスウェイダ県にある旧アサド政権の放棄された兵舎が破壊されている様子が確認されたとしています。
現時点で、この攻撃による死傷者の報告はなく、シリア当局からの公式なコメントも発表されていません。
旧政権の資金源「カプタゴン」の遺産
今回の空爆の背景には、カプタゴンと呼ばれる覚醒剤の一種を巡る根深い問題があります。カプタゴンは、2024年12月に崩壊したバッシャール・アサド前大統領の政権下で最大の輸出品となり、内戦で疲弊した政権の重要な資金源となっていました。シリアで大量に生産された薬物は、特に湾岸諸国に流入し、地域の大きな問題となっていました。
アナリストの推定では、カプタゴンの生産と密輸は、旧アサド政権とその協力者たちに数十億ドル規模の利益をもたらしていたと見られています。政権は崩壊しましたが、その密輸ネットワークと生産設備は依然として残り、地域の不安定要因となっています。
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