香港、保険会社の仮想通貨投資を解禁へ。100%の準備金を義務付ける新規則案を提示
香港の保険業規制局が、保険会社による仮想通貨投資を許可する新規則案を提示。100%のリスク準備金を義務付けるなど、慎重な枠組みのもとで数十億ドル規模の資本が市場に流入する可能性。
香港が保険業界の巨大資本をデジタル資産市場に呼び込む、画期的な一歩を踏み出そうとしています。アジアにおける機関投資家の仮想通貨導入が、新たな段階に入る可能性があります。
ブルームバーグが報じた12月4日のプレゼンテーション資料によると、香港の保険業規制局(IA)は、市内に拠点を置く158の認可保険会社に対し、暗号資産(仮想通貨)を含むデジタル資産への投資を許可する新規則案を検討しています。この動きは、数十億ドル規模の資本を市場に解放する可能性を秘めています。
保守的なリスク管理を徹底ただし、規制当局は慎重な姿勢を崩していません。今回の提案で最も注目されるのは、仮想通貨への直接投資に対して100%の「リスクチャージ」を義務付ける点です。これは、仮想通貨に1ドル投資するごとに、保険会社が資本準備金として1ドルを確保しなければならないことを意味します。この厳格な資本要件は、デジタル資産の価格変動リスクに対する強力な緩衝材として機能します。
一方で、法定通貨に連動するステーブルコインについては、連動先の法定通貨のリスクに基づいてチャージが決定される見込みです。香港金融管理局は、2026年初頭に最初のステーブルコインライセンスを発行すると予想されています。
今回の提案は、香港がデジタル資産のハブとしての地位を確立するための戦略的な一環と見られます。規制の枠組みを整備しつつ、機関投資家の参入を促すことで、市場の成熟と安定化を目指す狙いがあるようです。
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