ヘレン・ミレンが「掟」を破った理由、映画『Goodbye June』でケイト・ウィンスレット監督とタッグ
ケイト・ウィンスレットの初監督作品『Goodbye June』で、名優ヘレン・ミレンが自らの禁忌を破り出演。現場での徹底したリアリズムと、俳優同士の信頼関係が生んだ奇跡の物語に迫ります。ヘレン・ミレンの葛藤とウィンスレットの演出術を詳しく解説。
「本当は、こんなことは全くやりたくない」――大女優ヘレン・ミレンは、親友であるケイト・ウィンスレットにこう告げました。現在Netflixで配信中の映画『Goodbye June』において、ミレンは自身の俳優人生における「禁忌」を破り、末期がんの女性を演じています。本作はウィンスレットの長編監督デビュー作であり、二人の深い信頼関係がこの難しい決断を可能にしました。
ヘレン・ミレン Goodbye June ケイト・ウィンスレット:信頼が生んだ「禁忌」の打破
エンターテインメント・ウィークリー紙によると、ミレンには「認知症やがんを患うキャラクターは演じない」という個人的なルールがありました。しかし、ウィンスレットが監督を務め、さらに彼女の22歳の息子であるジョー・アンダースが脚本を手がけた本作において、彼女はそのルールを曲げることを決意しました。死を待つ母ジューンを演じるにあたり、ミレンは撮影当日まで役について語り合うことを避け、現場では「病人のガウンもウィッグも、ベッドに入ることも嫌いだ」と率直な不快感を口にしていたと、ウィンスレットは振り返っています。
ケイト・ウィンスレット監督が追求した「究極のリアリズム」
監督としてのウィンスレットは、俳優たちが演技に集中できるよう、現場から「混沌」を徹底的に排除しました。マイクはすべて隠され、カメラマンを含むスタッフ全員が部屋から退出する「無人撮影」という手法が取られた場面もありました。これにより、俳優たちはカメラが回っていることを意識せず、親密でリアルな演技を披露することができたとされています。
俳優たちは自分たちだけで部屋に残され、カメラは静かに回り続けていました。その空間には誰もいませんでした。それが彼らの感情に大きな違いをもたらし、リアリズムと親密さを生み出したのです。
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