Def Con、エプスタイン関連で3名を永久追放
世界最大のハッキング会議Def Conが、エプスタイン事件に関連した3名のサイバーセキュリティ専門家を永久追放。業界の自浄作用か、過剰反応か。
2万5000人が集まる世界最大のハッキング会議Def Conが、過去の人脈を理由に3名の著名人を永久追放した。果たしてこれは正義なのか、それとも行き過ぎた「キャンセル文化」なのか。
エプスタイン関連で3名が永久追放
Def Conは2月19日、投資家で性犯罪者のジェフリー・エプスタインと関係があった3名を永久追放リストに追加したと発表した。対象となったのは、ベンチャーキャピタリストパブロス・ホルマン、セキュリティ企業SlashIDのCEOヴィンチェンツォ・イオッツォ、元MIT Media Lab所長伊藤穰一の3名だ。
追放の根拠となったのは、米司法省が公開したエプスタイン関連文書と、Politicoが報じた電子メールの内容だった。文書によると、イオッツォは2014年から2018年にかけてエプスタインと接触を続けていた。これはマイアミ・ヘラルドがエプスタインの新たな性的虐待疑惑を報じた後も含まれている。
イオッツォの代理人は「Def Conへの参加は過去20年間でほとんどなく、今回の措置は単なるパフォーマンス」と反発している。しかし、Def Conは既にBlack HatやCode Blueといった他の主要セキュリティ会議もイオッツォを審査委員から除名していることを理由に挙げた。
日本のセキュリティ業界への波及
今回の措置は、日本のサイバーセキュリティ業界にも静かな衝撃を与えている。イオッツォはCrowdStrikeの元幹部で、同社は日本でも大手企業のセキュリティ対策を手がける重要なベンダーだ。また、伊藤穰一氏は日本のテクノロジー界では著名な人物で、多くの日本企業や研究機関との繋がりを持っていた。
日本のセキュリティ専門家の間では「技術的な能力と個人の行動をどう切り分けるべきか」という議論が始まっている。特に、イオッツォが「ビジネス機会の議論のみで、違法行為は一切見ていない」と主張している点について、業界内では意見が分かれている。
業界の自浄作用か、過剰反応か
Def Conの創設者ジェフ・モス氏は「エプスタイン本人は会議に参加したことはない」と明言している。しかし、2013年にはホルマンと共に参加を計画していたメールも発見されており、業界内での影響力は無視できないものだった。
問題は、どこまでが「適切な距離」なのかという基準だ。エプスタインは表向きは投資家として活動しており、テクノロジー業界の多くの人物が何らかの接触を持っていた。今回追放された3名も、直接的な犯罪行為への関与は証明されていない。
しかし、Def Conのような影響力のある会議が明確な姿勢を示すことで、業界全体のモラル向上に繋がるという見方もある。特に、サイバーセキュリティという「信頼」が最も重要な分野では、過去の人脈も含めた倫理観が問われるのは当然とも言える。
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