韓国・ブラジル首脳会談:新興国同士の連携が示す多極化する世界
李在明大統領とルラ大統領による韓伯首脳会談。工場労働者出身の両首脳が築く関係は、変化する国際秩序の象徴となるか。
21年ぶりとなるブラジル大統領の韓国国賓訪問。ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領が2月22日にソウルに到着し、翌23日に李在明大統領との首脳会談が行われた。
両首脳は昨年6月のG7サミットで初めて会談し、工場労働者として働いていた青春時代の体験を共有することで個人的な親交を深めた。李大統領は10代で工場で働き、労働災害で負傷した経験を持つ。ルラ大統領も同様に工場労働者出身で、職場での怪我を経験している。
包括的協力の枠組み
今回の首脳会談では、貿易・投資、気候変動、エネルギー、宇宙、防衛産業、科学技術、農業、教育、文化、人的交流など幅広い分野での協力強化が議題となった。青瓦台によると、両首脳は覚書調印式と共同記者発表に出席し、その後国賓晩餐会が開催される予定だ。
韓国とブラジルは1959年に外交関係を樹立して以来、ブラジルは韓国の南米最大の貿易相手国となっている。両国の経済関係は着実に発展してきたが、今回の首脳会談は単なる二国間協力を超えた意味を持つ。
新興国外交の新たな潮流
注目すべきは、両首脳が昨年11月の南アフリカでのG20サミットでも会談していることだ。これは偶然ではない。韓国とブラジルはともに、従来の米中二極構造とは異なる「第三の道」を模索する新興国として位置づけられる。
ルラ大統領は就任以来、ブラジルを「グローバル・サウス」のリーダーとして位置づけ、多極的な国際秩序の構築を目指してきた。一方、韓国も地政学的制約の中で独自の外交路線を追求している。両国の接近は、中間国家(middle power)同士の連携という新たな外交トレンドを象徴している。
日本への示唆
日本にとって、この韓伯接近は複雑な意味を持つ。ブラジルは日本企業にとって重要な市場であり、トヨタ、ホンダなどの自動車メーカーが大きな存在感を示している。韓国企業との競争が激化する可能性がある一方で、三カ国協力の機会も生まれるかもしれない。
特に、気候変動対策や持続可能な発展において、日本の技術力と経験は両国にとって価値がある。日韓関係の改善が進む中、ブラジルを舞台とした協力も視野に入ってくる。
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