ミャンマー総選挙:9万人の犠牲と中国の介入が揺らす「軍事支配」の正当化
ミャンマーで軍事政権による総選挙が強行。9万人の死者と350万人の避難民を出す内戦下、中国の介入と軍のドローン戦力強化が戦況を左右しています。民主化への道か、軍支配の固定化か、複雑な地政学的背景を分析します。
投票所に向かう列の裏側で、空爆の煙が上がっています。アウン・サン・スー・チー政権を覆したクーデターから約5年、ミャンマー軍事政権は統治の正当性を主張するため、大規模な総選挙を強行しました。
内戦下の不完全な選挙
今回の選挙は多段階で行われますが、国内の混乱は極限に達しています。アルジャジーラなどの報道によると、全330の郡区のうち、少なくとも56箇所で投票が中止されました。北部のラカイン州では12月11日に病院への空爆で30人以上が死亡するなど、軍による激しい攻撃が続いています。
- 犠牲者数:2021年以降、推計で約9万人が死亡。
- 避難民:350万人以上が住まいを追われ、人口の半分が人道支援を必要としています。
中国の介入と軍の「巻き返し」
一時は劣勢に立たされていた軍ですが、最近は戦況を押し戻しています。中国が仲介に入り、反政府勢力との停戦合意を促したことが大きな要因です。北京政府は自国の「経済回廊」を守るため、国家の崩壊を恐れて軍事政権の安定を支援する動きを見せています。
「中国は軍を愛しているわけではないが、他に選択肢がないと考えている。選挙を通じて予測可能な統治体制が整うことを期待しているのだ」
さらに軍は徴兵制によって7万人から8万人の新兵を確保し、無人機(ドローン)部隊を強化しました。ACLEDによると、軍による空爆とドローン攻撃は今年だけで30%増加し、ウクライナ、ロシアに次ぐ世界第3位の運用規模に達していると報告されています。
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