ムスタフィズル・ラハマンのIPL 2026追放:クリケットが変貌する南アジアの政治的武器
2026年1月、インドBCCIがバングラデシュのムスタフィズル・ラハマン選手をIPLから追放。政治的緊張がクリケット外交に暗い影を落としています。
スポーツを通じた友好の握手は消え、今や拳が握りしめられています。南アジアにおいて長らく外交の「ソフトパワー」として機能してきたクリケットが、今や政治的圧力の道具へと変貌を遂げようとしています。
2026年1月3日、インドのクリケット管理委員会であるBCCIは、バングラデシュ人選手として唯一インディアン・プレミアリーグ(IPL)に参加予定だったムスタフィズル・ラハマン選手を解雇するよう、所属チームのコルカタ・ナイトライダーズ(KKR)に指示しました。アルジャジーラによると、この決定は怪我や不調ではなく、「周囲の情勢の変化」という政治的な文脈によるものと見られています。
ムスタフィズル・ラハマンのIPL 2026追放と深刻化する外交問題
ラハマン選手は920万インドルピー(約100万ドル)で契約されていましたが、この突然の解雇により、バングラデシュ側は猛烈に反発しています。バングラデシュ・クリケット評議会(BCB)は、この措置を「差別的で屈辱的だ」と非難し、対抗措置として国内でのIPL放送を全面的に禁止しました。一方、ラハマン選手はインドからの拒絶を受け、パキスタン・スーパーリーグ(PSL)への参戦を即座に表明しました。
この対立の背景には、2024年8月に失脚したバングラデシュのシェイク・ハシナ元首相がインドに亡命している事実があります。バングラデシュ国内では反インド感情が高まっており、同時にインド国内でもバングラデシュでの少数派への攻撃に対する不満が噴出しています。インドの与党BJPの指導者は「バングラデシュ人を国内でもてなすべきではない」と主張する一方で、野党のシャシ・タルール氏は「スポーツを政治利用すべきではない」と警告しています。
インドが主導する世界クリケット界の構造的変化
インドはクリケット界全体の収益の約80%を生み出しており、国際クリケット評議会(ICC)の議長にはインドの強力な内務大臣の息子であるジェイ・シャー氏が就任しています。この圧倒的な経済的・政治的優位性が、スポーツを外交的報復の手段として使うことを可能にしていると分析されています。
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