シドニー銃乱射事件を受け、豪州NSW州が銃規制強化へ 緊急議会で新法案を審議
シドニー・ボンダイビーチでの銃乱射事件を受け、オーストラリアNSW州議会が銃所有数の制限やテロ関連シンボルの禁止を含む新法案を審議。事件の背景と政治的影響を解説します。
リード
オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州議会が12月22日、緊急招集されました。これは、12月14日にシドニーのボンダイビーチで発生し15人が死亡した大規模銃乱射事件を受け、銃器所有の制限強化やテロ関連シンボルの表示禁止などを盛り込んだ新法案を可決するためです。
事件の背景と法案の詳細
この事件は、ユダヤ教の祝祭「ハヌカ」の式典中に発生し、オーストラリア社会に大きな衝撃を与えました。これを受け、NSW州議会は2日間の会期で、銃器の所有数を原則4丁(農家などの特定グループは最大10丁)に制限する法案などを審議します。
警察によると、射殺された容疑者の一人、サジド・アクラム(50歳)は6丁の銃を所有していました。また、彼の息子であるナビード・アクラム(24歳)は、殺人やテロリズムを含む59の罪で起訴されています。
今回の法案には、抗議活動や集会中に警察がフェイスカバーの除去を命じる権限を強化する内容も含まれています。州政府は、地域社会での暴力を助長するとして「インティファーダをグローバル化せよ」といったスローガンの使用を禁止する方針を明言しています。
政治的影響と今後の調査
NSW州のクリス・ミンズ首相は議会前で記者団に対し、「テロ事件後の集会制限などを含む法案には反対も予想されるが、地域社会の安全を守るために必要だ」と述べました。
「私たちは、世界中の様々な人種、宗教、出身地からなるコミュニティを一つにまとめる責任があります。これを平和的な方法で実現できるはずです。」
事件をめぐっては、NSW州政府が最も強力な政府調査である「王立委員会」の設置を表明している一方、ユダヤ人コミュニティの指導者らは国家レベルでの調査を要求しています。野党・自由党の党首であるスーザン・レイ氏も22日、この要求を支持し、アンソニー・アルバニージー首相に調査範囲の見直しを協議するよう要請したと述べました。
アルバニージー首相の政権は、反ユダヤ主義の高まりに十分に対応してこなかったとの批判に直面しています。シドニー・モーニング・ヘラルド紙が1,010人の有権者を対象に実施し22日に発表した世論調査によると、首相の支持率は12月初旬の+6から-9へと15ポイント急落し、2022年5月の圧勝以来、最低を記録しました。
事件現場となったボンダイビーチでは22日、市民から手向けられた花やキャンドルなどが撤去され始めました。当局によると、これらの追悼の品はシドニー・ユダヤ博物館などで保存・展示される予定です。保健当局によれば、現在も13人が入院中で、うち4人は依然として重体ですが容体は安定しているとのことです。
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