15人が犠牲に。グアテマラの難所「アラスカ・ピーク」でバスが75メートルの谷底へ転落

15人の命が奪われる惨事となりました。グアテマラ西部のトトニカパン近郊で、乗客を乗せたバスが約75メートル下の谷底へ転落しました。現地当局の発表によると、この事故で少なくとも15名が死亡し、19名が負傷して近くの病院へ搬送されました。犠牲者の中には、男性11名、女性3名のほか、1名の子どもも含まれていることが確認されています。

濃霧が視界を奪う「魔の区間」

事故が発生したのは、パン・アメリカン・ハイウェイの172キロから174キロ地点の間です。この場所は、その険しい地形から「アラスカ・ピーク（アラスカの頂）」という愛称で知られています。AFP通信などによると、このエリアは頻繁に深い霧が発生することで有名で、ドライバーの視界を極端に悪化させることが多い場所として警戒されていました。

事故を起こしたバスは首都グアテマラシティからメキシコ国境に近いサン・マルコス県へ向かっていましたが、原因は現時点で不明とされています。消防隊がSNSに投稿した画像には、谷底で大破した車両の無惨な姿が映し出されており、現場では生存者の救出と遺体の収容作業が懸命に続けられました。

繰り返される悲劇と安全への課題

グアテマラでは、交通インフラや車両の安全管理が長年の課題となっています。実は2025年の初めにも、別のバスが谷に転落し、50名以上が犠牲になる大規模な事故が起きたばかりでした。今回の事故を受け、現地メディアは病院で愛する家族の安否を待つ親族たちの悲痛な姿を報じており、社会全体に大きな衝撃が走っています。