アップル、米国でバイトダンス系アプリを地域制限で完全ブロック
アップルが米国内でバイトダンス傘下の中国アプリを技術的に制限。TikTok売却後も影響拡大、地理的ブロッキング技術の新展開
中国のアップルIDを持っていても、アメリカにいるだけでアプリがダウンロードできない。そんな新しい現実が、1月下旬からiPhoneユーザーの間で報告されています。
アップルは、TikTokの新体制移行と時を同じくして、米国内でバイトダンス傘下のアプリに対する技術的制限を強化しました。この措置により、中国版TikTokであるDouyinや、AIチャットボットDoubao、小説アプリFanqie Novelなど、本来米国市場向けではないアプリまでもが影響を受けています。
地理的ブロッキングの仕組み
従来、アップルのアプリ配信制限は主にApple IDの登録国に基づいていました。中国で登録されたアカウントがあれば、世界中どこからでも中国市場向けのアプリをダウンロードできたのです。
しかし、アップルは2023年から「countryd」という新システムを導入。これはGPS位置情報、Wi-Fiルーターの国コード、SIMカード情報を組み合わせて、ユーザーの物理的位置を正確に特定する技術です。
現在、米国内でバイトダンス系アプリをダウンロードしようとすると、「このアプリはあなたがいる国または地域では利用できません」というメッセージが表示されます。VPNを使った回避策も報告されていますが、完全ではありません。
法的背景と企業対応
この制限は、2024年に成立した「外国敵対勢力管理アプリケーションからアメリカ人を保護する法」に基づくものです。同法は、バイトダンスが過半数を所有するアプリの「配信、維持、更新」を米国内で禁止しています。
TikTok、CapCut、Lemon8は1月22日の売却合意により米国での運営を継続していますが、その他のバイトダンス系アプリは対象外となりました。アップルの対応は法的要件を厳格に解釈した結果といえるでしょう。
興味深いのは、アップルが1月末にApp Storeの利用規約を更新し、「法的制限の対象となるアプリの利用可能性を判断するため、インターネット接続のIPアドレスを使用して位置を近似することがある」という文言を追加したことです。
日本への示唆
日本企業にとって、この動きは重要な示唆を含んでいます。アップルの地理的ブロッキング技術は、今後他の地域や企業にも適用される可能性があります。
特に、日本のソニーや任天堂のようなコンテンツ企業は、地域別のライセンス管理や著作権保護において、この技術を活用する機会があるかもしれません。一方で、グローバル展開を進める日本企業にとっては、突然の地域制限リスクを考慮する必要も生じています。
また、日本政府が将来的に類似の法規制を検討する場合、技術的実装の参考事例となる可能性もあります。
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