米国務省の戦略計画、台湾を完全に除外
米国務省の2026-2030年戦略計画が台湾に一切言及せず。ホワイトハウスの国家安全保障戦略との温度差が浮き彫りに。日本への影響は?
米国の外交政策の方向性を示す重要な文書で、台湾が完全に無視された。
米国務省が発表した2026年から2030年までの「機関戦略計画」において、台湾への言及が一切ないことが判明した。この計画書は今後5年間の米国外交政策と対外援助の方針を定める重要な文書だが、インド太平洋地域の平和と安定を目標として掲げながらも、台湾については完全に沈黙している。
ホワイトハウスとの温度差
興味深いのは、この国務省の計画がホワイトハウスの国家安全保障戦略(NSS)とは対照的な姿勢を示していることだ。国家安全保障戦略では台湾への言及があるにも関わらず、実際の外交を担う国務省の戦略文書では台湾が存在しないかのような扱いを受けている。
国務省の計画では、国家安全保障に次ぐ最重要課題として*西半球*を位置づけている。これは中南米諸国との関係強化を意味し、中国の影響力拡大への対抗という文脈で理解できる。しかし、台湾海峡の緊張が高まる中で、この地域への直接的な言及を避けた理由は明確ではない。
戦略的曖昧さの新たな形
米国の台湾政策は長年「戦略的曖昧さ」で特徴づけられてきた。台湾の防衛に関して明確なコミットメントを避けることで、中国との全面対立を回避しつつ、台湾への支援を継続するという微妙なバランスを保ってきた。
今回の国務省文書は、この戦略的曖昧さの新たな表現形態と見ることができる。公式文書で台湾に言及しないことで、北京への配慮を示しながら、実際の政策レベルでは台湾支援を継続するという二重構造を維持しようとしているのかもしれない。
日本への波及効果
日本にとって、この動きは複雑な影響をもたらす可能性がある。日本は台湾海峡の安定を「平和と繁栄の基礎」と位置づけており、米国の台湾政策の変化は直接的に日本の安全保障環境に影響する。
特に、半導体産業において台湾との関係が深い日本企業にとって、米国の政策変更は供給チェーンの不確実性を高める要因となりうる。TSMCの熊本工場建設など、日台の経済協力が進む中で、米国の姿勢変化は投資判断にも影響を与えるだろう。
政権移行期の政策調整
トランプ政権の発足を控えた現在、この国務省文書が新政権の政策方針を反映しているのか、それとも政権移行期の一時的な現象なのかは不明だ。新政権は台湾問題に対してより直接的なアプローチを取る可能性もあり、今回の「沈黙」が長期的な方針転換の前兆なのか注視が必要だ。
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