韓国・尹錫悦前大統領に懲役10年の求刑、戒厳令めぐる「司法妨害」で初の審判へ
2025年12月26日、韓国の特別検察官は戒厳令をめぐる司法妨害罪などで尹錫悦前大統領に懲役10年を求刑しました。2026年1月16日に注目の初判決が下されます。
懲役10年。韓国の特別検察官チームは2025年12月26日、昨年の戒厳令宣言に関連する司法妨害などの罪に問われている尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対し、極めて重い実刑を求刑しました。これは、戒厳令をめぐる一連の裁判の中で、初めて出された具体的な求刑となります。
国家機関を「私物化」した重大な罪
ソウル中央地方裁判所で行われた結審公判で、趙恩淑(チョ・ウンスク)特別検察官率いる捜査チームは、前大統領が自らの犯罪行為を隠蔽し正当化するために国家機関を「私物化」したと厳しく批判しました。検察側は「被告の行為は韓国の法秩序を深刻に損ない、大統領として信託した国民に大きな傷を負わせた」と述べ、厳しい処罰の必要性を強調しています。
具体的な起訴内容と求刑の内訳
今回の裁判の中心は、捜査員による身柄拘束の阻止や、閣僚の権利侵害、公文書の偽造・破棄といった行為です。特別検察官は、身柄拘束の妨害に5年、閣僚の権利侵害や虚偽情報の流布に3年、修正布告の作成に2年と、罪状ごとに刑を積み上げました。対する尹錫悦被告側は、裁判中も戒厳令宣言の正当性を繰り返し主張し、謝罪の言葉を述べることはなかったと伝えられています。
1月16日に注目の初判決へ
裁判所は、2026年1月16日に判決を言い渡すことを決定しました。これは被告の拘留期限が切れる2日前のタイミングとなります。現在、前大統領は内乱罪など他の3つの裁判も抱えていますが、今回の司法妨害罪が最初に出される審判として、今後の展開を占う重要な試金石となる見通しです。
記者
関連記事
韓国・李在明政権が統一白書で対北政策を「平和的二国家共存」へ転換。人権・脱北者への言及が激減する一方、北朝鮮は憲法から統一条項を削除。朝鮮半島の未来はどこへ向かうのか。
韓国特別検察チームは、尹錫悦前大統領の戒厳令宣布の半年以上前から、国防防諜司令部が準備を進めていた痕跡を確認したと発表。民主主義の制度的脆弱性をめぐる問いが浮かび上がる。
韓国の尹錫悦前大統領の反乱罪控訴審が4月27日にソウル高裁で始まった。一審の無期懲役判決に対し、検察側は死刑を求め、弁護側は法廷の合憲性を争う。韓国民主主義の岐路を多角的に読み解く。
韓国のイ・ジェミョン大統領が、北朝鮮へのドローン侵入に「遺憾」を表明。国家情報院職員と現役軍人の関与が判明。南北関係の修復は可能か、東アジアの安全保障に何を意味するのか。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加