アンソニー・ホプキンス断酒50周年：87歳のレジェンドが語る「生を選ぶ」という選択

アルコール依存症との闘いに終止符を打ってから、ちょうど50年という節目を迎えました。アカデミー賞を2度受賞した名優、アンソニー・ホプキンス氏は2025年12月29日（現地時間）、自身のSNSを通じて、半世紀にわたる断酒の歩みを祝うとともに、同じ苦しみの中にいる人々へ力強いエールを送りました。

アンソニー・ホプキンス断酒50周年の原点：1975年の決断

ホプキンス氏が酒を断ったのは、1975年12月29日のことです。彼は自身の回顧録『We Did OK, Kid』の中で、当時の衝撃的なエピソードを明かしています。ロサンゼルスで飲酒運転中に意識を失い、自分がどこにいるのかも分からなくなった際、「誰かを殺していたかもしれない」という恐怖に直面したことが、人生の転換点になったと語っています。

「あの日、助けを求めたことで、すべてが終わりました。そして、そこから本当の人生が始まったのです」と彼は振り返ります。当時37歳だった彼は、医師からの警告と自身の内なる声に従い、一歩を踏み出しました。以来、彼は毎年この日に、世界中のファンに向けて希望のメッセージを発信し続けています。

「生を選べ」というメッセージ：88歳を前にした願い

あと2日で88歳の誕生日を迎えるホプキンス氏は、最新の動画メッセージで「その逆ではなく、人生（生）を選んでほしい」と訴えかけました。自慢するためではなく、少しでも飲みすぎで悩んでいる人がいれば、人生はもっと素晴らしいものになると伝えたいのだと、穏やかな表情で付け加えています。

彼のSNS投稿には、毎年多くの感謝のコメントが寄せられています。特に『羊たちの沈黙』などの映画で見せる圧倒的な演技の裏にある、人間としての弱さと、それを克服した強さは、多くの人々に勇気を与えています。