米国太陽光市場、2025年に過去最高の40GW設置へインフレ削減法が追い風

SEIAとウッドマッケンジーの最新報告によると、米国は2025年に過去最高となる40GWの太陽光発電を導入する見込み。インフレ削減法（IRA）が主な推進力だが、送電網の問題など課題も残る。

米国の太陽光エネルギー業界が、記録的な成長を遂げています。太陽エネルギー産業協会（SEIA）と調査会社ウッドマッケンジーが本日発表した最新報告書「U.S. Solar Market Insight Q4 2025」によると、米国は2025年に過去最高となる40ギガワット（GW）の新規太陽光発電設備を導入する見込みです。これは、2024年に設置された26GWから50%増という驚異的な伸び率となります。

この急成長の主な原動力は、インフレ削減法（IRA）です。同法が提供する長期的な税制優遇措置が市場に安定性をもたらし、国内製造業への投資を促進しました。報告書は、この政策的支援とコスト低下、そしてクリーンエネルギーへの需要増が組み合わさり、公益事業規模から商業、住宅用に至るまで、あらゆる分野でプロジェクトが急増していると分析しています。

<strong>将来予測</strong>：報告書は、米国の太陽光発電の総設備容量が2030年までに377GWに達すると予測しています。これは、米国の6500万世帯の電力需要を賄うのに十分な規模です。

しかし、この輝かしい成長見通しには課題も伴います。報告書は、サプライチェーンの制約が緩和されつつあるものの、依然として懸念材料であると指摘。さらに、送電網への接続待ち（インターコネクションキュー）や許認可プロセスの遅れが、プロジェクトの進行を妨げる大きなボトルネックになっていると警告しています。また、輸入パネルに対する関税など、通商政策の不確実性も潜在的なリスクとして挙げられています。

PRISM Insight: 今回の記録的な成長は、単なる太陽光パネル設置の増加以上の意味を持ちます。これは、エネルギー貯蔵（バッテリー）、送電網の近代化技術、そしてインフレ削減法によって活性化する国内製造業といった、より広範なエコシステムへの投資機会が拡大していることを示唆しています。投資家にとって、焦点は個別のプロジェクトから、このエネルギー転換を支えるインフラ全体へと移っていくでしょう。今後の勝者は、ボトルネックを解消する技術やサービスを提供する企業かもしれません。

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