CBSニュース、報道番組の一部を検閲か 封鎖された映像がインターネットで流出
米CBSニュースが報道番組「60ミニッツ」の特集を検閲しましたが、映像はカナダ経由でインターネットに流出。デジタル時代における情報統制の限界を浮き彫りにした事件を解説します。
米大手メディアのCBSニュースが、看板報道番組「60ミニッツ」で放送予定だったエルサルバドルの刑務所に関する特集を、放送直前に取りやめていたことが明らかになりました。テクノロジーメディア「The Verge」が22日に報じたところによると、この検閲された映像は、新編集長バリ・ワイス氏の指示で差し止められたものの、既に配信済みだったカナダの提携局を通じてインターネット上に流出しています。
検閲の壁を越えたデジタルな『抜け穴』
CBS側は既にこの特集のオンラインプロモーションを開始していましたが、非常に遅い段階で放送中止を決定したため、情報統制が完全には機能しなかった模様です。同番組を放送するカナダの提携テレビ局「Global TV」には、中止の指示が間に合わず、予定通り放送されました。
この放送を一部の視聴者は（仮想プライベートネットワーク）を利用して視聴し、少なくとも1人のユーザーが録画した映像をアカウント経由で共有したことで、映像は瞬く間に拡散しました。
放送されなかった映像の内容
The Vergeが確認した流出映像は、長さのものです。その中には、エルサルバドルの刑務所に移送された男性たちが、鎖につながれ、体を二つに折り曲げられた状態で連行される様子などが映し出されていたと報じられています。CBS側は、この特集を差し止めた理由について公式なコメントを発表していません。
今回の出来事は、グローバルな配信網が当たり前となった現代において、伝統的なメディアによるトップダウンの検閲がいかに困難かを示しています。一度デジタル化されネットワークに乗った情報は、国境や組織の壁を越えて拡散する力を持っており、旧来の『ゲートキーパー』としてのメディアの権威に根本的な問いを投げかけています。
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