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2025年モビリティ業界の明暗:ラッド・パワー・バイクスとルミナーが破綻、一方でロボタクシーは急成長
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2025年モビリティ業界の明暗:ラッド・パワー・バイクスとルミナーが破綻、一方でロボタクシーは急成長

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2025年末、電動自転車のラッド・パワー・バイクスとライダー技術のルミナーが経営破綻。一方でウェイモが牽引するロボタクシー市場は急成長し、フォードはEVからハイブリッドへ戦略転換。モビリティ業界の淘汰と再編の動きを解説します。

年の瀬に相次ぐ破綻、モビリティ業界に淘汰の波

2025年の輸送技術業界は、年初の複数社の経営破綻に続き、年末も2つの著名なスタートアップの破綻で幕を閉じることになりました。電動自転車大手のラッド・パワー・バイクス(Rad Power Bikes)と、ライダー(Lidar)技術のパイオニアであるルミナー(Luminar)が、相次いで米連邦破産法第11条の適用を申請しました。これは、業界が過熱した期待から現実的な事業モデルへと移行する、厳しい淘汰の局面にあることを示唆しています。

ラッド・パワー・バイクスは、新たな資金調達がなければ事業停止の可能性があると従業員に警告してから数週間後に破産申請に至りました。同社の広報担当者がテッククランチに語ったところによると、会社は破産手続き中も事業を継続し、今後45〜60日以内に事業売却を目指すとしています。

一方、ルミナーの状況はさらに深刻です。同社は数ヶ月にわたる人員削減、幹部の退社、そして最大顧客であるボルボとの法廷闘争の末に破産を申請。申請書類には事業売却計画が明記されており、すでに半導体子会社の売却契約を締結済みです。テッククランチの上級記者ショーン・オケイン氏の報道によれば、ルミナーは最終的に事業を停止し、会社は消滅する見込みです。

EV市場の調整とロボタクシーの台頭

こうした破綻劇とは対照的に、2025年は技術革新が停滞したわけではありません。特にロボタクシー(自動運転タクシー)業界は、ついに本格的な成長期を迎えました。グーグル系のウェイモ(Waymo)が急成長を牽引し、アマゾン傘下のズークス(Zoox)やテスラ(Tesla)もサービス展開を開始しています。2026年は、これらの企業が同一市場で本格的に競合し、安全性や社会への適合性について、より厳しい目が向けられる年になりそうです。

他方、電気自動車(EV)市場は調整局面にあります。フォードは今週、完全電動ピックアップトラック「F-150ライトニング」の生産を終了すると発表。今後はハイブリッド車やガソリン車に再び重点を置くという、大胆な方針転換です。同社は、ガソリン発電機でバッテリーを充電し700マイル(約1126km)以上の航続距離を実現する「航続距離延長型EV」に注力するとしています。

テスラ、誇大広告問題でライセンス停止の危機

EVのリーダーであるテスラも課題に直面しています。カリフォルニア州車両管理局(DMV)が提起した訴訟で、行政法判事はテスラの「オートパイロット」及び「FSD(完全自動運転)」のマーケティングが、顧客に性能を誤解させる欺瞞的なものだったと認定しました。DMVは罰則として同州での販売・製造ライセンスの30日間停止を求めており、判事もこれに同意。ただし、命令は一時的に保留され、テスラには60日間の猶予が与えられています。この期間内に「オートパイロット」の名称を変更するか、ソフトウェアを完全自動運転レベルに引き上げるかの選択を迫られています。

PRISM Insight: 2025年のモビリティ業界は、痛みを伴うが不可欠な市場の健全化が進んでいることを示しています。ルミナーやラッド・パワー・バイクスのように過剰な期待を集めた企業が淘汰される一方、ウェイモのロボタクシーやフォードのハイブリッド戦略のように、現実的なビジネスモデルとソフトウェア定義の分野に資本と技術が集中しています。これは、投機的な成長から持続可能な収益性へと、業界の評価軸が変化している明確なシグナルです。

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