金正恩総書記、娘ジュエ氏と三池淵ホテル開業式典に出席 経済成果を誇示
北朝鮮の金正恩総書記が娘の金ジュエ氏と共に三池淵のホテル開業式典に出席。2026年の党大会を控え、経済成果を誇示し、後継者としての存在感を高める狙いがあるとみられます。
北朝鮮の朝鮮中央通信（KCNA）が23日に報じたところによると、金正恩（キム・ジョンウン）総書記が娘の金ジュエ氏を伴い、中朝国境に近い三池淵（サムジヨン）観光地区で新たに行われたホテルの開業式典に出席しました。これは2026年初頭に予定されている5年ぶりの党大会を前に、国内の経済発展をアピールする狙いがあるとみられます。
党大会を控え、建設プロジェクトを加速
KCNAによれば、三池淵観光地区では12月20日と21日に5つのホテルが相次いで開業しました。金総書記は20日の式典に出席し、ジュエ氏と共に高級ホテルを視察する様子が国営メディアの写真で公開されました。
金総書記は「人民の地位向上と国家の発展潜在力を示す明白な証拠だ」と述べたと伝えられています。最近1ヶ月で金総書記は複数の施設の開業式典に出席しており、先週だけでも地方の工場3ヶ所を視察するなど、経済成果の広報に力を入れています。背景には、2026年の党大会で新たな5カ年計画を発表するにあたり、主要プロジェクトの完遂を国民に促す国営メディアの動きがあります。
後継者としての存在感
10代とされるジュエ氏が再び公式の場に姿を現したことで、後継者問題への関心も高まっています。一部のアナリストは、彼女が次期指導者の最有力候補であると見ており、こうした経済視察への同行は、指導者としての正当性を早い段階から築くための布石との見方もあります。ただし、北朝鮮当局が公式に後継者計画について言及したことはありません。
今回の視察は、国内向けには経済発展と生活水準の向上をアピールし、対外的および国内エリート層には権力継承の安定性を誇示するという二重のメッセージを発信する狙いがありそうです。党大会という大きな政治イベントを前に、経済的成果と後継者育成を同時に進めることで、体制の盤石さを内外に示していると考えられます。
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