偶発的衝突を避けるため、韓国軍が「軍事境界線」の判断基準を更新

北朝鮮兵士による侵犯が相次ぐ中、韓国軍は偶発的衝突を避けるため軍事境界線（MDL）の判断基準を更新。地図上の線と物理的な標識線を総合的に考慮し、現場の対応に柔軟性を持たせる。

リード

韓国軍は、北朝鮮兵士による軍事境界線（MDL）の侵犯が相次ぐ中、偶発的な武力衝突のリスクを低減するため、現場部隊が境界線を判断する際の内部規定を更新したことが明らかになりました。この措置は、最前線での対応に柔軟性を持たせることを目的としています。

韓国軍合同参謀本部は12月22日月曜日、北朝鮮兵士による境界線侵犯への対応として、軍事境界線（MDL）の定義に関する内部規定を更新したと発表しました。この動きは、昨年から北朝鮮軍が非武装地帯（DMZ）内で建設作業を行う過程で、MDLを繰り返し越境している状況を受けたものです。

背景：曖昧な境界線

軍事境界線は、1953年の朝鮮戦争休戦協定締結後に約1300本の標識で示されました。しかし、現在その位置を特定できるのは約6分の1に過ぎません。国連軍司令部による維持管理作業も、1973年に北朝鮮が作業員に発砲して以来、中断されています。このため、物理的な標識線と地図上の線との間に解釈の余地が生まれていました。