マーベルの王、故郷に還る。NYに「ジャック・カービー・ウェイ」誕生へ

マーベル・コミックスの伝説的クリエイター、ジャック・カービー氏の功績を讃え、彼が幼少期を過ごしたニューヨーク市マンハッタンの一角が「ジャック・カービー・ウェイ（Jack Kirby Way）」と正式に命名されることが決まりました。米ポップカルチャーメディアのComicsBeat.comが報じています。

対象となるのは、マンハッタンのロウワー・イースト・サイドに位置するエセックス・ストリートのうち、デランシー・ストリートとリビングトン・ストリートに挟まれた区画です。この場所が選ばれたのには、特別な理由があります。カービー氏は1917年8月28日に、まさにこの通りにあるエセックス・ストリート147番地で生を受けました。今回の命名は、90年以上もの時を経て、彼の原点となった場所がその名を永遠に刻むという、感動的な凱旋となります。

「キング・オブ・コミックス」の異名を持つジャック・カービー氏は、スタン・リー氏と共にキャプテン・アメリカ、ファンタスティック・フォー、アベンジャーズ、X-MENといった、今や世界的な文化アイコンとなった数々のキャラクターを共同で創造しました。彼のダイナミックで革新的なアートスタイルは、その後のコミック業界全体に計り知れない影響を与え続けています。

PRISM Insight: 今回の命名は、コミックというポップカルチャーが、単なるエンターテイメントの枠を超え、都市の歴史や文化遺産として公式に認められつつある大きな潮流を示しています。かつては歴史上の偉人に限られていた栄誉が、現代の文化を築き上げたクリエイターにも与えられるようになったのです。これは、無形の創造物（IP）が、物理的なランドマークとして社会に根付く象徴的な事例と言えるでしょう。