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豪州NSW州、銃乱射事件受け「反テロ新法」成立—安全保障か、表現の自由の抑制か
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豪州NSW州、銃乱射事件受け「反テロ新法」成立—安全保障か、表現の自由の抑制か

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シドニー銃乱射事件を受け、豪ニューサウスウェールズ州が抗議デモや特定表現を禁じる新法を可決。安全保障強化の一方、市民の自由を抑圧するとの批判が高まり、憲法訴訟に発展する見通しです。

悲劇が、自由を縛る鎖に変わるのか。シドニーのボンダイビーチ15人が犠牲となった銃乱射事件から2週間足らずで、オーストラリアニューサウスウェールズ(NSW)州は、国内で最も厳しい銃規制と、表現の自由を大幅に制限する新法を可決した。安全保障の強化を掲げる一方、市民の権利を脅かす「危険な法律」だとして、人権団体からは強い反発の声が上がっている。

「テロリズム法改正案」の光と影

12月24日水曜未明に州議会を通過した「テロリズムおよびその他法規改正案2025」は、警察に広範な権限を与えるものだ。法案によると、「テロ宣言」が出された場合、警察は最大3ヶ月間、特定の地域での公共の集会を制限できる。さらに、禁止された組織のシンボルの公の場での表示も禁止される。

NSW州政府は声明で、ヘイトスピーチの見直しの一環として、「インティファーダをグローバル化せよ(globalise the Intifada)」といった言葉を禁止対象の例として名指しした。この表現は、1980年代からイスラエルの軍事占領に抵抗するパレスチナ人との連帯を示す際によく使われる。州首相のクリス・ミンズ氏は、「誰もが同意するものではない、非常に大きな変更」だと認めつつも、「ボンダイビーチでの反ユダヤ主義的な攻撃の後、我々の州は変わった。法律も変わらなければならない」と述べた。

「民主的自由の抑圧」—高まる反発と憲法訴訟

この動きに対し、NSW州を拠点とするパレスチナ系、先住民系、ユダヤ系の3つの擁護団体は、法案採決前の12月23日に、「この厳格な反抗議法に対して憲法上の法廷闘争を開始する」と共同で発表した。「パレスチナ・アクション・グループ・シドニー」は声明で、州政府が「ボンダイの悲劇的な攻撃を悪用し、政治的反対意見やイスラエル批判を抑え込み、民主的な自由を縮小する政治的アジェンダを推進している」と非難した。

この背景には、オーストラリアが今年9月国連パレスチナの国家承認に賛成したことがある。イスラエルネタニヤフ首相は事件後、これを銃撃事件と関連付けたが、国連特別報告者でシドニー大学教授のベン・ソール氏は「行き過ぎた対応は我々を安全にするどころか、テロに勝利を与えることになる」と警鐘を鳴らしている。

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