フランス郵政公社、大規模サイバー攻撃でサービス停止か。DDoS攻撃の可能性が浮上

フランスの国営郵便・銀行サービス「ラ・ポスト」が大規模なDDoS攻撃を受けたとみられ、オンラインサービスが停止。市民生活への影響が懸念されています。最近フランスで相次ぐサイバー攻撃との関連は不明です。

フランスの国営郵便・銀行サービスを提供する「ラ・ポスト（La Poste）」が22日月曜日、大規模なサイバー攻撃を受けたとみられ、オンラインサービスが全面的に停止しました。同社はこれを「大規模なネットワークインシデント」と発表しており、分散型サービス妨害（DDoS）攻撃の疑いが持たれています。

何が起きたのか？オンラインサービスが全面麻痺

ラ・ポストの発表によると、今回のインシデントは「すべての情報システム」に影響を及ぼしています。これにより、オンラインの郵便サービス、銀行サービス、公式ウェブサイト、モバイルアプリなどが一時的に利用できなくなりました。しかし、同社は窓口での銀行取引や郵便業務は引き続き可能であると説明しています。

同社の銀行部門である「ラ・バンク・ポスタル（La Banque Postale）」も同様にサイバー攻撃に関する声明を発表し、「顧客のモバイルアプリとオンラインバンキングへのアクセスが一時的に利用できなくなっている」と状況を認めています。

ロシアのハクティビスト（政治的・社会的な主張を掲げるハッカー）集団が犯行を主張していますが、現時点で攻撃の背後にいる人物や組織は特定されていません。この攻撃は、フランス政府が最近直面している一連のサイバーセキュリティインシデントのさなかに発生しました。

先週には、フランス内務省がデータ侵害を公表。ハッカーが電子メールアカウントに侵入し、犯罪記録を含む機密文書を盗み出したとされています。その後、地元当局は22歳の容疑者を逮捕したと発表しましたが、今回の一連の事件に関連性があるかどうかは不明です。

PRISM Insight: インフラ標的の常態化

今回の事件は、国の重要インフラがサイバー攻撃の主要な標的になりつつある現状を浮き彫りにしています。単なるデータ窃取だけでなく、郵便や銀行といった市民生活に不可欠なサービスを麻痺させることで社会全体に混乱を引き起こす。こうした「生活を人質に取る」攻撃は、今後さらに増加する可能性があります。