ウクライナ和平交渉、米国は「建設的」と評価も領土問題は依然難航
米フロリダ州で行われたウクライナ和平交渉について、米特使は「建設的」と評価。しかし、ロシアが占領した領土の扱いを巡る対立は根深く、和平への道のりは依然として不透明です。
マイアミでの重要会談
2025年12月22日、米国のスティーブ・ウィットコフ特使は、フロリダ州マイアミでウクライナ、欧州、ロシアの交渉担当者と個別会談を終え、ウクライナ戦争終結に向けた協議を「生産的かつ建設的」と評価しました。この会談は、ドナルド・トランプ米大統領が提唱する20項目の和平案を巡る一連の協議の最新のものです。
ウィットコフ特使は、土曜日にロシアのキリル・ドミトリエフ大統領特使と会談した後、日曜日にはウクライナと欧州の当局者と協議。その後、ルステム・ウメロフ上級高官が率いるウクライナ代表団と個別に会談しました。トランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏も会談に参加したと報じられています。
ウィットコフ特使とウメロフ氏は共同声明で、日曜日の協議を「生産的かつ建設的」と表現し、「ウクライナ、米国、欧州間の共通の戦略的アプローチ」に焦点を当てたと述べました。「次のステップのタイムラインと順序の議論に特に注意が払われた」としています。
各国の立場と温度差
米国とウクライナの二国間協議では、和平案の基礎となる4つの主要文書(20項目計画、多国間安全保障枠組み、米国によるウクライナ安全保障枠組み、経済・繁栄計画)に関する立場の調整が進められました。ウィットコフ氏はX(旧Twitter)への投稿で、ドミトリエフ氏との会談も「生産的かつ建設的」であったと述べ、「ロシアはウクライナの平和達成に引き続き全面的にコミットしている」と付け加えました。
しかし、米国の楽観的な見方とは裏腹に、ロシア側からは慎重な声が上がっています。ロシアのユーリ・ウシャコフ大統領外交担当補佐官は日曜日、ウクライナと欧州が要求した和平案の修正は「和平の見通しを改善するものではない」と指摘。ロシアは欧州を「戦争推進派」と見なしており、協議への参加が交渉を妨げると主張しています。
背景: トランプ大統領が先月発表した当初の和平案は、ロシアの要求を反映しているとして欧州首脳から批判を浴びました。その後、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナと欧州の同盟国がホワイトハウスの当初案を基にした独自の20項目計画を提示したと述べています。
和平への長い道のり
交渉における最大の障害の一つは、2022年2月の本格侵攻以降にロシアが占領した領土の扱いです。ロシアが領有権を主張し続ける一方、ウクライナは領土の一体性を譲らない構えです。ゼレンスキー大統領は協議を「建設的」としながらも、「ロシアが本当に戦争を終わらせる必要性を感じるかどうかに多くが懸かっている」と釘を刺しました。
一方で、新たな外交の動きも見られます。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、フランスのマクロン大統領が戦争終結のために対話を呼びかけたことを受け、プーチン大統領が会談の用意があると述べました。フランス大統領府もこの声明を歓迎しており、今後の進め方を数日中に決定するとしています。
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