エプスタイン文書、コピー＆ペーストで黒塗り解除。米司法省のデジタル管理に疑問符

政府が隠そうとした秘密が、驚くほど簡単な方法で白日の下に晒されました。アメリカ司法省（DOJ）が公開した故ジェフリー・エプスタイン氏関連の機密文書で、黒塗り部分が単純な「コピー＆ペースト」操作だけで解除できてしまうことが発覚しました。ガーディアン紙とニューヨーク・タイムズ紙が報じています。

誰でもできる「ハッキング」

報道によると、インターネット上の一般ユーザーたちが、文書の黒塗り部分をコピーしてワードプロセッサに貼り付けるだけで、隠されていたテキストをいとも簡単に表示させてしまいました。一部ではPhotoshopなどの画像編集ソフトも使われたようです。このあまりに稚拙な墨消し処理について、ニューヨーク・タイムズ紙は「急いで検閲された」可能性を示唆しています。暴露された情報には、エプスタイン氏と彼の協力者たちがどのようにして子どもたちに性的虐待を行ったかなど、民事訴訟に関する詳細が含まれていたとガーディアン紙は伝えています。

司法省の緊急ボランティア募集

この事態を受け、司法省内が混乱に陥っている様子も明らかになりました。CNNが火曜日に報じたところによると、フロリダ州南部地区の連邦検事局の弁護士が、地区全体に「エプスタイン文書のレビューと黒塗り作業」を手伝うボランティアを募る緊急メールを送信したとのことです。メールには「今後数日間の支援が必要」と記されており、クリスマス休暇中にもさらなる文書が公開される可能性を示唆しています。

これらの文書は、「エプスタイン文書透明化法」に基づき公開が進められています。司法省は特設のマイクロサイトでファイルを公開していますが、12月19日を最後に更新が止まっている状態です。