ガザ停戦下の新たな暴力:ネタニヤフ首相が報復を示唆、死者400人超
ガザ地区で停戦協定にもかかわらずイスラエル軍の攻撃が続き、死傷者が発生。ネタニヤフ首相は報復を示唆し、ハマスは関与を否定。米国主導の和平案の行方は?
停戦協定は、もはや名ばかりなのでしょうか?停戦開始以降、400人以上のパレスチナ人が命を落としたガザ地区で、再びイスラエル軍による攻撃が発生しました。ベンヤミン・ネタニヤフ首相が報復を示唆する中、米国主導の和平案の先行きに暗い影を落としています。
各地で続く暴力
アルジャジーラとロイター通信によると、12月24日、ガザ北部ジャバリアでイスラエル軍が民間人に発砲し、パレスチナ人男性1人が死亡、2人が負傷しました。また、ハンユニス東部では3人が銃撃を受け、マガジ難民キャンプでは子供1人が負傷したと医療関係者が伝えています。ガザ保健省の発表では、10月の停戦開始以来、イスラエル軍の攻撃による死者は400人を超えました。さらにガザ政府メディアオフィスは、イスラエル側による停戦違反が875回に上ると主張しています。
爆発事件と食い違う主張
緊張を高めているのが、ガザ南部ラファで発生した爆発事件です。この事件でイスラエル兵1人が負傷したとイスラエル側は発表。これに対し、ネタニヤフ首相は報復措置を取る考えを示しました。一方、ハマスは事件への関与を否定。「爆発物がイスラエル軍によって残された可能性がある」と指摘し、10月10日の停戦合意を遵守する姿勢を改めて強調しました。
和平への遠い道のり
現在進行中の和平プロセスは、9月に米国のドナルド・トランプ大統領が提案した20項目の計画に基づいています。しかし、捕虜の解放やイスラエル軍の部分的撤退といった初期段階しか実行されていません。計画の最終目標はハマスの非武装化とガザ統治からの排除、そしてイスラエルの完全撤退ですが、両者の溝は深く、ハマスは「パレスチナ国家樹立まで武装解除はしない」と主張し、イスラエルは国家樹立を認めない構えです。
ネタニヤフ首相は来週、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談し、和平計画の次段階について協議する予定です。この会談が、膠着状態を打開するきっかけとなるか注目されます。
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