「おばさん」から「お母さん」へ。育児放棄された甥を救った女性の決断と家族の亀裂

甥から「お母さん」と呼ばれた時、あなたならどうしますか？ある女性が投稿した家族の物語が、ネット上で大きな議論を呼んでいます。実の両親からネグレクト（育児放棄）を受けた甥を我が子のように育て、信頼関係を築き上げた末に起きた、切なくも複雑な家族の衝突です。

実の親に疎まれた少年の居場所

投稿者によると、彼女の兄夫婦は自分たちの子供が生まれると、以前からいた甥を「よそ者」のように扱い始めたといいます。愛情を受けられなくなった少年の成績は下がり、素行も悪化。崩壊の危機に瀕していた甥を見かねた彼女と夫は、少年を家に迎え入れる決断を下しました。数年間にわたる安定した生活と無償の愛によって、少年は徐々に本来の自分を取り戻していきました。

「お母さん」という言葉が火種に

平穏な日々が続く中、少年が叔母である彼女を「お母さん」と呼び始めたことで状況は一変します。これを知った実の母親は激怒し、家族の間で激しい対立が勃発しました。周囲からは彼女の献身的な行動を称賛する声が多い一方で、実の母親の立場を複雑にする行為だと批判する意見もあり、ネット上の意見は二分されています。

心理学的視点から見る「感情的な放棄」

アメリカ心理学会（APA）は、子供が必要とする関心や愛情を継続的に与えないことをネグレクトと定義しています。身体的に置き去りにされることだけが放棄ではありません。親が感情的に寄り添わなくなることも、子供の自尊心に深刻なダメージを与えると指摘されています。