エプスタイン文書公開で被害者情報が流出、司法省が緊急削除
米司法省がエプスタイン関連文書を公開したが、被害者の個人情報が流出し緊急削除。被害者弁護士は「史上最悪のプライバシー侵害」と批判。政府の情報管理体制に疑問の声。
米司法省が金曜日に公開したジェフリー・エプスタイン関連文書で、100名近くの被害者の個人情報が流出し、同省は数千件の文書を緊急削除する事態となった。
被害者の弁護士らは、この情報漏洩を「米国史上最も悪質なプライバシー侵害」と厳しく批判している。
何が起きたのか
司法省は金曜日、エプスタイン事件に関連する300万ページの文書、18万枚の画像、2000本の動画を公開した。しかし、被害者保護のために施されるべき墨塗り処理に重大な欠陥があった。
被害者弁護士のブリタニー・ヘンダーソン氏とブラッド・エドワーズ氏は、「数千箇所で被害者の名前や個人を特定できる情報の墨塗りが不適切」だったと指摘。メールアドレスや、顔や名前が判別可能な写真まで含まれていたという。
被害者の一人は「生命に関わる脅威」と表現し、別の被害者は個人の銀行情報が公開された後に殺害予告を受けたと証言している。
司法省の対応と説明
司法省は月曜日、連邦判事への書面で「被害者や弁護士から削除要請があった文書はすべて削除し、さらなる墨塗り処理を行っている」と説明した。同省は「技術的または人的エラー」が原因だったとしている。
司法省報道官はCBSに対し、「被害者保護を真剣に受け止めており、公開した数百万ページで数千人の被害者名を墨塗りして無実の人々を保護してきた」と述べた。問題があったのは「公開ページの0.1%」だったという。
被害者の怒りと失望
エプスタイン事件の生存者アニー・ファーマー氏はBBCに対し、「司法省が生存者をこのような形で晒したことによる損害があまりに大きく、新たに明らかになった情報に注目することすら困難」と語った。
別の被害者リサ・フィリップス氏は「多くの生存者が今回の結果に非常に不満を抱いている」とし、司法省が3つの要件すべてに違反したと批判した。「多くの文書がまだ開示されていない、公開期限を大幅に過ぎている、そして多くの生存者の名前を公開した」
女性の権利を専門とする弁護士グロリア・オルレッド氏は、これまで公に名前を明かしたことのない被害者も含め、多数の被害者名が開示されたと指摘。「線が引かれているが名前が読める場合もあれば、公開インタビューを受けたことも公に名前を出したこともない生存者の写真が掲載されている場合もある」と述べた。
透明性と保護のジレンマ
この文書公開は、議会両院が司法省に公開を義務付ける法案を可決したことを受けたものだった。ドナルド・トランプ大統領が署名した法律により、エプスタイン関連文書の全面公開が義務付けられていたが、司法省は当初の期限から6週間遅れての公開となった。
エプスタインは2019年8月10日、性的人身売買の罪で起訴され裁判を待つ間にニューヨークの拘置所で死亡した。
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