台湾防衛予算案、政党間の分裂が露呈―米国製兵器か自主防衛か
台湾立法院が1.25兆台湾ドルの防衛予算案審議開始。与野党の対立提案で米国依存vs自主防衛の路線対立が鮮明に
1.25兆台湾ドル(約400億米ドル)。台湾立法院が3月7日に審議を開始したこの巨額防衛予算案は、単なる軍事費増額以上の意味を持っている。
台湾の主要政党3党がそれぞれ異なる提案を提出したことで、台湾防衛の根本的な方向性を巡る深刻な分裂が表面化した。問題の核心は「米国製兵器への依存を深めるか、自主防衛能力の構築を優先するか」という戦略選択にある。
民進党政権の「米国頼み」戦略
民主進歩党(DPP)政権が提案した8年計画(2026-2033年)は、明確に米国との軍事協力強化を軸としている。計画にはハイマースロケット発射装置82基と1,200発以上のロケット弾、ジャベリン対戦車ミサイル1,057発などが含まれる。
米国製兵器購入分だけで3,500億台湾ドルを計上。これは台湾の年間防衛予算の約7割に相当する規模だ。蔡英文前政権から続く「非対称戦争」への転換を加速させ、中国本土からの侵攻に対する抑止力向上を狙う。
背景には、バイデン政権からの強い圧力がある。米国は台湾海峡の安定維持のため、台湾の防衛力強化を求め続けてきた。特に2024年の台湾総統選挙後、軍事支援の条件として具体的な防衛費増額を要求していたとされる。
野党の「自主防衛」対案
一方、国民党と民衆党は異なるアプローチを提示している。両党の提案に共通するのは、米国製兵器への過度な依存への懸念と、台湾独自の防衛産業育成重視の姿勢だ。
国民党は予算規模の縮小と、台湾製ドローン20万機の生産計画拡大を主張。「T-Dome」と呼ばれる台湾版アイアンドーム構想への投資集中を求めている。同党の江啓臣立法委員は「外国依存は真の安全保障ではない」と批判する。
民衆党はさらに踏み込み、予算の30%を台湾企業の防衛技術研究開発に割り当てる修正案を提出。党首の柯文哲氏は「台湾の技術力なら、より安価で効果的な防衛システムを構築できる」と主張している。
日本への波及効果
台湾の防衛政策転換は、日本の安全保障環境に直接影響する。台湾海峡の軍事バランス変化は、沖縄から与那国島にかけての南西諸島防衛にも関わるからだ。
日本政府は台湾の防衛力強化を歓迎する一方で、米国製兵器への一極集中には複雑な感情を抱いている。岸田政権は台湾との防衛技術協力の可能性を模索しており、特に三菱重工や川崎重工などの防衛産業企業は台湾市場への関心を強めている。
台湾の「T-Dome」構想は、日本のPAC-3やイージスシステムとの連携可能性も秘めている。両者の防空システム統合が実現すれば、東シナ海全域の防衛網強化につながる可能性がある。
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