TSMCが2026年に560億ドルの巨額投資へ:AI需要と供給網のボトルネック
TSMCは2026年に過去最高の560億ドルの設備投資を計画。AI需要は本物か?日本の日東紡が供給するガラスクロスの不足や、Googleのベトナム移転など、激動する世界のAI・半導体供給網の最新動向を解説します。
560億ドル(約8兆円)という天文学的な数字が動き出します。半導体受託製造で世界最大手のTSMCは、2026年の設備投資計画を過去最高水準に引き上げると発表しました。これはAI需要が「本物」であるという確信に基づいた決断ですが、その一方で供給網の至る所で「目詰まり」が起き始めています。
TSMC 2026年の投資戦略とAI供給網の現実
日経アジアの報道によると、TSMCのC.C.ウェイ会長は当初、AI需要が誇大広告ではないかと慎重な姿勢を見せていました。しかし、顧客との数ヶ月にわたる協議の末、2026年の売上高成長率を業界平均の14%を大きく上回る約30%と予測し、強気の投資へ舵を切りました。現在、同社はNvidiaの最先端AIチップを独占的に製造しています。
地政学リスクと生産拠点の分散
地政学的な緊張も供給網を再編させています。フィナンシャル・タイムズによると、Googleは今年、最新スマホ「Pixel」の開発と初期製造プロセス(NPI)の拠点を中国からベトナムへ移管する計画です。これはAppleがインドで行っている動きと同様で、ドナルド・トランプ大統領の関税政策による不確実性を回避する狙いがあると考えられます。
関連記事
韓国政府が推進し、サムスン電子が400兆ウォン(約42兆円)を投じるとされる光州の半導体工場計画。最初に反対の声が上がったのは会社の内部でした。労組のアンケートでは、回答者の84%が反対と答えています。
IBMが世界初のsub-1nm(0.7ナノ)チップ技術「ナノスタック」を公開しました。ムーアの法則に10~15年を上乗せしたとの評価と、「研究室の成果にすぎない」との慎重論が対立しています。量産を担うのはIBMではありません。
サムスン電子とSKが2026年6月29日、韓国内に数千兆ウォン規模の半導体・AI投資を共同発表しました。発表額は報道により3100兆~4755兆ウォンと開きがありますが、本当の勝負どころは資本ではなくインフラ、つまり水と電力です。日本の半導体素材・装置産業への波及も含めて読み解きます。
Google社員がPolymarketで内部情報を使い約1.2億ドル(約1.8億円)の利益を得たとして米司法省が起訴。予測市場とインサイダー取引の新たな交差点が問う、ブロックチェーンの透明性とは何か。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加