「助けて！」悲鳴のなか沈む船…ラオス観光フェリー転覆、母子3人不明・死亡か。生存者が語る恐怖の瞬間

ラオス北部を流れるメコン川で先週木曜日（12月18日）、観光客ら140人以上を乗せたフェリーが転覆し、少なくとも3人が死亡または行方不明となる痛ましい事故が発生しました。生存者によると、船内には定員をはるかに下回る数の救命胴衣しかなく、現場はパニックに陥ったといいます。BBCなどの報道で明らかになりました。

わずか数分で沈没、救命胴衣は15着のみ

事故が起きたのは、観光客に人気のフアイサーイから古都ルアンパバーンへ向かうルートです。ラオスタイムズが報じた公式報告書によると、船には観光客118人と、乗組員4人を含む地元住民29人が乗船していました。船が水中の岩に衝突すると、わずか数分で浸水が始まり、あっという間に沈み始めました。

乗船していたフランス人のアントニンさん（30）は、「乗組員は全く備えができておらず、大混乱でした。本当に、本当にあっという間の出来事でした」と証言します。彼が特に「不可解で憂慮すべき」だと感じたのは、船内にほどしか救命胴衣がなかったことでした。

救助船が招いた二次被害と消えた母子

乗客たちが助けを求めて叫ぶ中、最初に通りかかった船は小さかったためか、。次に現れた救助船が近づくと、人々がそちらへ殺到。その結果、沈みかけていた船の片側に重さがかかり、浸水がさらに速まるという皮肉な事態も発生したと、イギリス人観光客のブラッドリー・クックさん（27）は語ります。

多くの人が救助船に飛び移ったり、泳いでたどり着いたりする中、アントニンさんは船の後方で、ラオス人の母親とその2人の子供の姿を目撃していました。しかし、彼が救助船に乗った後、その母子の姿はどこにもありませんでした。「泣き叫ぶ人やパニックになる人がいて、めちゃくちゃな状態でした」と彼は振り返ります。その後、現地メディアは、パニー・ハーさんという女性と1歳の子供の遺体が発見されたと報じました。もう一人の子供の捜索は続いています。