サウジアラビア、イエメンからのUAE撤退を支持：盟友間の亀裂が深刻化 2025

かつての盟友が、今や対立の火種を抱えています。サウジアラビアは、イエメンの大統領指導評議会によるアラブ首長国連邦（UAE）への24時間以内の撤退要求を支持すると表明しました。これは、サウジ主導の連合軍が、UAEが支援する分離主義勢力向けの武器輸送を空爆したことを受けた、異例の事態です。

サウジアラビア、イエメンからのUAE撤退を支持した背景

ロイター通信などの報道によりますと、サウジアラビア外務省は、UAEが「南方過渡委員会（STC）」に対し、イエメン東部のハドラマウト州やマフラ州での攻勢を強めるよう圧力をかけていると非難しました。STCはイエメン南部の独立を求めている組織であり、今回の動きはサウジアラビアにとって自国の国境警備や地域の安定を脅かす「極めて危険な」行為と映っています。

これに対し、UAE側は「深い遺憾」の意を表明し、武器輸送の事実を否定しています。UAE外務省によれば、空爆された車両は自国軍が使用するためのものであり、イエメンのいかなる勢力への供与も意図していなかったと主張しています。連合軍内での事前協議なしに行われた今回の空爆に、UAE側は強い驚きを示しています。

激化する内部対立と人道的危機

イエメンの大統領指導評議会議長、ラシャード・アル＝アリーミー氏は、UAEとの共同防衛協定を破棄し、90日間の非常事態を宣言しました。同氏は、UAEから指示を受けた「反乱軍」による内部抗争に立ち向かう必要があると述べています。一方で、STC側は撤退要求に法的根拠がないと反論し、イランが支援するフーシ派との戦いにおいて、引き続き主要なパートナーであり続けると主張しています。

この長引く紛争により、すでに15万人以上の命が失われ、世界最悪レベルの人道的危機が続いています。かつてフーシ派を阻止するために結成された「不自然な同盟」は、今や崩壊の危機に瀕しているようです。