ウクライナ戦争3年目、アブダビ和平交渉の裏で続く現実
ウクライナ戦争が3年目に入る中、アブダビでの和平交渉と並行して戦闘は激化。エネルギーインフラへの攻撃が市民生活を直撃する現状を分析。
55,000人。ウクライナのゼレンスキー大統領が初めて公表した自国軍の戦死者数である。この数字は、戦争開始から約3年が経過した現在も、和平への道のりがいかに険しいかを物語っている。
交渉テーブルと戦場の二重奏
アブダビで開催されたアメリカ仲介による和平交渉は「実質的で生産的」と評価された。ウクライナの首席交渉官ルステム・ウメロフ氏は、技術・軍事チームが参加した三者会談の成果を強調した。しかし、交渉が進む一方で、戦場の現実は厳しさを増している。
今年に入ってから、ロシア軍はウクライナのエネルギーシステムを217回攻撃。ドネツク州ドルジキフカでは、クラスター爆弾による市場攻撃で7人が死亡、8人が負傷した。ゼレンスキー大統領は、キエフのエネルギー状況が他都市より深刻だと認め、首都への資源再配分を発表している。
数字が語る戦争の重さ
ドイツ連邦情報局(BND)の分析によると、ロシアの実際の軍事支出は公式発表より66%多い。2022年から2023年にかけて、プーチン政権は戦争の真のコストを隠蔽していた可能性が高い。
一方、EUは900億ユーロ(約1,060億ドル)のウクライナ向け融資を承認。この資金は主にウクライナまたはEU諸国からの武器購入に充てられる予定だ。
国際社会の複雑な立場
興味深いのは、各国の微妙な立ち位置である。習近平国家主席とプーチン大統領は戦争開始4周年を前にビデオ通話を実施し、「重要な安定化要因」として中露関係を位置づけた。
マクロン仏大統領の最側近外交顧問がモスクワを訪問したとの報道もある。表向きは和平を模索しながら、各国は自国の利益を慎重に計算している。
市民が払う代償
戦争の最大の犠牲者は一般市民だ。ロシアに連れ去られたとされる19,000人の子どもたちのうち、メラニア・トランプ米大統領夫人の働きかけで15人が帰国を果たした。しかし、残る子どもたちの運命は依然として不明だ。
ロシア国内でも、戦争の影響は深刻だ。脚を失った退役軍人をネタにしたジョークで、コメディアンのアルテミー・オスタニン氏が「憎悪扇動」の罪で6年の実刑判決を受けた。言論の自由が戦時体制下で急速に制限されている現状を示している。
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