習近平氏、重要政治会議前に軍幹部9人を解任
中国の習近平主席が全国人民代表大会を前に軍幹部9人を含む19人の議員を解任。反腐敗闘争の名の下で行われる軍部粛清の真意とは。
来週開催される中国最大の政治会議を前に、また軍の高官たちが姿を消した。
中国の最高立法機関である全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、軍幹部9人を含む計19人の議員を名簿から除名したと発表した。公式な理由は明かされていないが、これは習近平国家主席が最も信頼していた軍事同盟者の一人である張又侠上級将軍を解任してからわずか数週間後の出来事だ。
「反腐敗」の名の下で続く粛清
今回解任されたのは、人民解放軍陸軍司令員の李橋銘氏や元海軍司令員の沈金竜氏など、軍の要職にあった人物たち。さらに内モンゴル自治区の元党委書記孫紹騁氏を含む複数の地方幹部も含まれている。
習近平氏は2013年の就任以来、腐敗を「共産党にとって最大の脅威」と位置づけ、「トラもハエも叩く」反腐敗キャンペーンを展開してきた。しかし批評家たちは、これが政敵排除の道具として使われていると指摘する。
実際、2025年10月には軍の上級将軍9人が一度に解任される大規模粛清が行われたばかり。当局は「反腐敗活動の一環」と説明したが、その規模と頻度は異例だ。
日本にとっての意味
中国軍部の不安定化は、東シナ海や台湾海峡の緊張に直結する問題だ。軍の指揮系統に混乱が生じれば、予期しない軍事行動や誤算のリスクが高まる可能性がある。
日本の防衛省関係者は、中国軍の人事異動を注意深く監視している。特に張又侠氏のような穏健派とされる将軍の解任は、より強硬な軍事路線への転換を示唆する可能性もある。
一方で、軍部粛清により中国の軍事的脅威が一時的に低下するという見方もある。しかし、これは短期的な現象に過ぎず、長期的には習近平氏の個人的権力がさらに強化される結果につながるだろう。
「両会」が映し出す中国の現実
来週3月4日から11日まで開催される「両会」(全人代と人民政治協商会議)では、政府の5年計画と年次経済目標が発表される。しかし、今回の大規模解任は、この重要な政治イベントの影に隠れて行われた。
習近平氏にとって、軍の完全な掌握は政権維持の生命線だ。2022年の党大会で異例の3期目入りを果たした彼にとって、軍部からの潜在的な反発を事前に封じることは不可欠な戦略といえる。
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