毎話更新中——『恋愛の実践ガイド』が示すもの
JTBCの新作ロマコメ『恋愛の実践ガイド』が放送のたびに視聴率を更新中。韓国ドラマ産業の競争構造と、日本の韓流ファンへの意味を多角的に読み解く。
視聴率が「上がり続ける」ドラマは、なぜこれほど珍しいのか。
韓国の放送業界では、初回に高視聴率を記録しても、その後じわじわと数字が落ちていくのが「普通」とされている。だからこそ、JTBCの新作ロマンティックコメディ『恋愛の実践ガイド(The Practical Guide to Love)』が見せているパターンは、業界関係者の目を引いている。2026年3月8日放送分まで、すべてのエピソードで前回を上回る視聴率を記録。ニールセン・コリアの集計によれば、同作はここまで自己最高を更新し続けているという。
「完璧な右肩上がり」は何を意味するか
出演はハン・ジミン、パク・ソンフン、イ・ギテクの三人。ハン・ジミンはすでに日本でも知名度が高く、過去の出演作『ミス・ハンマーン』や『シュルプ』でも安定した人気を誇る。パク・ソンフンは『ウェディング・インポッシブル』でブレイクし、現在もっとも注目されている男性俳優の一人だ。
ロマンティックコメディというジャンル自体、韓国ドラマの中でも「安定した需要がある一方で、差別化が難しい」カテゴリーとして知られている。それでも視聴率が毎回上昇するということは、口コミが機能していること、つまり「見た人が次の回も見て、さらに友人に勧める」という連鎖が起きている証拠と読める。
同じ週、MBCの『アンダーカバー・ミス・ホン(Undercover Miss Hong)』が最終回を1位で締めくくった。二作品が同時期に健闘したという事実は、韓国の地上波・ケーブル局が依然として「週末ロマコメ」というフォーマットに強い競争力を持っていることを示している。
日本市場との接点——ファンが動く理由
日本における韓国ドラマの視聴環境は、ここ数年で大きく変わった。NetflixやDisney+、Hulu、そしてU-NEXTといったプラットフォームが韓国ドラマの日本語字幕版を迅速に提供するようになり、リアルタイムに近い形で韓国の放送に追いつくことが可能になっている。
ハン・ジミンのような俳優は、日本のファンイベントにも定期的に招かれており、「ドラマ→ファンイベント→グッズ→配信」という消費サイクルが確立されている。この作品が視聴率を伸ばし続けるということは、日本向けの配信権やプロモーションの価値が高まることも意味する。K-ドラマは今や「コンテンツ輸出品」としてだけでなく、俳優個人のブランド価値を高める「プラットフォーム」としても機能している。
一方で、日本のファンの間では「字幕の質」や「配信タイミングのズレ」に対する不満も根強い。視聴率が高い作品ほど、日本語版の提供が遅れたり、翻訳のニュアンスが失われたりすることへの関心も高まる。これはコンテンツ産業の「最後の一マイル問題」とも言えるだろう。
記者
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