「パークス・アンド・レクリエーション」の舞台裏：アダム・スコットがNGの度に行っていた「25回の腕立て伏せ」

爆笑が絶えないコメディの撮影現場で、一人だけ「自分を追い込む」俳優がいました。人気ドラマ『パークス・アンド・レクリエーション』でベン・ワイアットを演じたアダム・スコットが、セリフを間違えるたびに自分に課していた独特な儀式が明かされました。

NGを出したら即座に「自分への罰」

エンターテインメント・ウィークリー紙の取材に対し、劇中の人気ジャーナリスト、パード・ハップリーを演じたジェイ・ジャクソンが当時のエピソードを語りました。彼によると、アダム・スコットは撮影中にセリフを噛んでしまうと、集中力を取り戻すためにその場で25〜30回の腕立て伏せを始めたといいます。

ジャクソン氏は、本物の放送記者として22年間活動した経歴を持ち、俳優業は新米でした。「アダムは本当に情熱的な俳優でした。現場では一切の妥協がなかった」と振り返り、そのストイックな姿勢に敬意を感じたと述べています。

共演者の反応：尊敬と困惑のあいだ

一方で、共演者のアジズ・アンサリはこの「腕立て伏せタイム」を面白がっていたようです。ジャクソン氏の記憶では、アダムが腕立て伏せを始めるたびに、アジズは呆れたように目を丸くして「おっ、また腕立て伏せが始まるぞ」と、言葉に出さずとも態度で示していたといいます。

「これはコメディ番組なのに、彼は信じられないほど真剣だった」とジャクソン氏は語ります。アダム・スコットは後に、Apple TV+のドラマ『セヴェランス』でエミー賞にノミネートされるなど、その演技への真摯な姿勢が高く評価されています。コメディ時代のこの「腕立て伏せ」は、彼のキャリアを支えるプロ意識の表れだったのかもしれません。