韓国、200億ドルの対米投資は「上限に過ぎない」 ウォン安懸念を受け政府がペースダウンを示唆

年間200億ドルという巨額の対米投資は、本当に計画通り実行されるのでしょうか？韓国政府高官が2025年12月24日、2026年に予定される投資額が、年間上限を「はるかに下回る」可能性が高いと述べました。この発言は、16年ぶりの安値水準に近づく韓国ウォンの急落と、それに伴う大規模なドル流出への市場の懸念を鎮める狙いがあるとみられます。

背景：3500億ドル規模の関税ディール

この投資計画は、韓国と米国が10月29日に合意した、より低い米国関税と引き換えに行われる大規模な投資約束の一部です。合意内容によると、投資総額は3500億ドルで、そのうち2000億ドルが現金での分割投資（年間上限200億ドル）、残りの1500億ドルが造船分野での二国間協力に充てられることになっています。

市場の懸念と政府の火消し

韓国企画財政部の高官であるチェ・ジヨン氏は記者団に対し、「米国側の要請で年間上限が設定されたため、市場は来年すぐに満額が投資されると考えているようだ」と指摘。しかし、同氏は、米国での法案通過、用地取得、規制当局の承認といったプロセスが投資の実行を大幅に遅らせる可能性があると説明しました。この発言は、当局による一連の安定化策にもかかわらずウォン安が進行し、外貨準備高の減少が懸念される中で行われました。同氏は、政府が準備・調整してきた通貨安定化策が「本格的に実行され始める」とも付け加え、市場の不安払拭に努めました。