NSO Group 2025年透明性レポート公開:数字なき「説明責任」への疑問
NSO Groupが2025年透明性レポートを公開。しかし過去の報告書と異なり具体的な統計データが欠如しており、米国のエンティティ・リスト(ブラックリスト)解除を狙ったパフォーマンスであるとの批判が相次いでいます。政治とサイバーセキュリティの境界線に迫ります。
中身のない「透明性」は、果たして信頼に値するのでしょうか。スパイウェア「Pegasus(ペガサス)」で世界的に知られるイスラエルのNSO Groupが、新たに「2025年透明性レポート」を公開しました。同社は「説明責任の新たな段階」に入ったと主張していますが、その内容は過去の報告書と比較して具体性に欠けると、専門家から厳しい批判を浴びています。
NSO Group Transparency Report 2025 の実態:消えた統計データ
今回のレポートにおいて最も注目すべき点は、情報の「欠如」です。これまでの報告書には、人権侵害の懸念から拒否した顧客数や、不正利用の調査件数などが具体的な数字とともに記載されていました。しかし、今回の2025年版では、人権を尊重するという約束こそ並んでいるものの、それを裏付ける客観的な証拠や統計が一切示されていません。テックメディアのTechCrunchによると、具体的な数値について同社に問い合わせたものの、回答は得られなかったといいます。
| 項目 | 過去の報告書 (2021-2024) | 2025年報告書 |
|---|---|---|
| 調査件数の開示 | あり(例:2024年は3件) | なし |
| 契約拒否による損失額 | あり(最大1億ドル以上) | 言及なし |
| 顧客数の統計 | 一貫して公開 | 非公開 |
| 人権侵害による契約終了 | 具体的な事例や件数あり | 抽象的な方針のみ |
米国のブラックリスト解除を狙う戦略的リーダーシップ
なぜ、このタイミングで具体性に欠けるレポートを公開したのでしょうか。専門家は、アメリカ政府の禁輸リスト(エンティティ・リスト)からの削除を狙った「パフォーマンス」であると分析しています。同社は現在、経営陣を刷新し、米国市場への再参入を強力に推し進めています。
- トランプ政権の元高官であるデイビッド・フリードマン氏を会長に任命
- 創業者のオムリ・ラヴィ氏を含む旧経営陣の退任
- 人権団体Access Nowは「看板を掛け替えただけのパフォーマンス」と指摘
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