40万ドルのロブスターが消えた？ニューイングランドで相次ぐ巧妙なシーフード窃盗事件 2025

豪華なビュッフェを想像してみてください。しかし、そこに並ぶはずだった4万個ものカキや、40万ドル相当のロブスターがすべて盗まれたとしたらどうでしょうか。米国のニューイングランド地方で、わずか数週間のうちに高価なシーフードが次々と姿を消すという異例の事態が発生しています。

ニューイングランド ロブスター 窃盗事件 2025 の背景

AP通信の報道によれば、最初の事件は11月22日、メイン州ファルマスで発生しました。養殖場から売り出し直前だったカキのケージ14個が盗まれ、被害額は2万ドルに上ります。地元当局は、小規模事業者にとって壊滅的な打撃だと警鐘を鳴らしています。しかし、これは氷山の一角に過ぎませんでした。

続いてマサチューセッツ州タウントンでは、さらに大規模な被害が判明しました。12月2日にカニの肉が、そして12月12日にはコストコ向けのロブスターの身が、輸送の過程で跡形もなく消え去ったのです。

巧妙化する「なりすまし」の手口

今回の事件で注目すべきは、その手口の巧妙さです。被害に遭った物流仲介業者のRexing Companiesによると、犯行グループは実在する運送会社になりすまし、偽造のメールアドレスや運転免許証、さらには車体のロゴまで偽装して荷物を引き取っていったといいます。業界団体であるTIAのクリス・バロウズCEOは、こうした貨物窃盗は「戦略的窃盗」と呼ばれ、近年急速に増加している深刻な問題だと指摘しています。