マレーシア・ナジブ元首相に再び有罪判決。1MDB巨額汚職事件の深淵
マレーシアのナジブ・ラザク元首相が1MDB巨額汚職事件の第2審で有罪判決を受けました。5億4,300万ドルの不正送金とマネーロンダリングの罪。クアラルンプール高等裁判所の最新判決を詳しく解説。
「王室からの寄付金だ」という主張は、冷徹な証拠の前に崩れ去りました。 クアラルンプール高等裁判所は2025年12月26日、マレーシアの政府系ファンド「1MDB」を巡る巨額汚職事件で、ナジブ・ラザク元首相に対し、職権乱用とマネーロンダリングの罪で有罪判決を下しました。今回の判決は、かつて国家を揺るがしたスキャンダルの真相解明において、大きな節目となります。
540億円超の不正送金、その驚愕の実態
判決によると、ナジブ氏は1MDBから約22億リンギット(約5億4,300万ドル)を自身の個人口座へ不正に送金したとされています。検察側は、同氏が首相、財務相、そして1MDB顧問委員会会長という絶大な権限を悪用したと指摘しました。これらの資金は、豪華客船の購入や高級不動産、さらには映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の制作費にも流用されていたことが判明しています。
「政治的迫害」との主張を裁判所が却下
ナジブ氏は一貫して無罪を主張し、今回の裁判も「政治的な魔女狩り」であると訴えてきました。しかし、コリン・ローレンス・セケラ判事は「被告が職権を乱用したことは明白であり、反論の余地のない証拠がある」として、その主張を退けました。
ナジブ氏は現在、2020年の別の公金横領罪ですでに収監されています。当初の禁錮12年の刑は一部恩赦により6年に短縮されており、今回の有罪判決によって釈放時期がさらに遠のく可能性が高まっています。今回の各容疑には、それぞれ15年から20年の禁錮刑が科される可能性があります。
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