「ヴェルサイユの女王」早期閉幕、主演クリスティン・チェノウェスが涙のスピーチ「大きな挑戦でした」

ブロードウェイの新作ミュージカル「ヴェルサイユの女王」が、開幕からわずか数週間で幕を下ろしました。トニー賞受賞女優のクリスティン・チェノウェスが主演を務めた本作は、2025年12月21日の公演を最後に、当初の予定より2週間早く閉幕。千秋楽のカーテンコールで、チェノウェスは涙をこらえながら観客に感謝を伝えました。

「皆さんは、新しい作品を観ることを選んでくれました。私たちは大きな挑戦をしました。そして、私たちがたどり着いたこの場所を、心から誇りに思います」

エンターテインメント・ウィークリー誌が報じたところによると、チェノウェス（57歳）はインスタグラムに投稿された動画の中で、最終公演に駆けつけた観客への感謝を表明。本作は11月9日にセント・ジェームズ劇場で正式に開幕しましたが、わずか3週間後に突然の打ち切りが決定。当初1月4日までとされていた最終公演日も、さらに前倒しされるという厳しい結末を迎えました。

批評家の酷評と好調な興行収入の謎

本作は、2012年のドキュメンタリー映画を原作とし、2008年の金融危機の中でベルサイユ宮殿を模した豪邸を建てようとする大富豪シーゲル夫妻の物語を描いています。音楽は「ウィキッド」で知られるスティーヴン・シュワルツが手掛け、チェノウェスとブロードウェイで再びタッグを組んだことでも話題となりました。

しかし、11月9日の開幕後、批評家のレビューは芳しくありませんでした。エンターテインメント・ウィークリー誌は「アイデンティティの危機に瀕したショー」と評しています。一方で、興行成績は好調だったようです。プレイビル誌によれば、開幕後の週には100万ドルを超える収益を上げていました。

にもかかわらず、早期閉幕に至った背景には、推定2250万ドルという莫大な製作費があると見られています。当初は翌年3月29日までのチケットが販売されていたことからも、製作陣の期待が大きかったことが伺えます。本作はプレビュー公演32回、本公演41回という短い上演期間でその歴史に幕を閉じました。