カザフスタン EAEU 議長国 2026:AIと物流を掲げた巨大経済圏の舵取り
2026年1月1日、カザフスタンがEAEUの議長国に就任。トカエフ大統領はAIと物流を核としたデジタル国家への野心を表明しましたが、電力不足や地政学的緊張が課題として浮上しています。
10周年を迎えた巨大経済圏が、新たなデジタル時代へと舵を切ります。2026年1月1日、カザフスタンはEAEU(欧州経済共同体)の回転議長国に就任しました。カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は前日の演説で、AI(人工知能)、物流、デジタル化、そして自由貿易を中心とした野心的なビジョンを提唱しました。これは、ロシアへの依存を警戒しつつも、域内の経済統合を維持しようとする複雑な地政学的バランスの現れといえます。
2026年のカザフスタンEAEU議長国としての優先事項
トカエフ大統領は、AIを「経済統合を促進するための新たなツール」と定義しました。カザフスタンが目指すのは、技術格差を克服し、自国を完全な「デジタル国家」へと変貌させることです。また、EAEUを東と西、北と南を結ぶ「地政学的な架け橋」と呼び、物流ハブとしての機能を強化することを求めています。ザ・ディプロマットによれば、物流における不必要な官僚主義や遅延を排除し、貨物の移動を最速化することが共通の目標として掲げられています。
統合の光と、電力不足という現実的な影
トカエフ大統領の掲げるハイテク国家への道筋には、深刻な課題も横たわっています。カザフスタンは現在、慢性的な電力不足に直面しており、2025年秋冬シーズンの需要を賄うためにロシアやウズベキスタンから電力を輸入する契約を結びました。AIの稼働には膨大な電力が必要であり、インフラの安定供給なしにデジタル変革を成し遂げるのは容易ではありません。また、ウズベキスタンのアクマル・サイドフ第一副議長が「カザフスタンはEAEU加盟による恩恵をほとんど受けていない」と指摘したように、統合の成果に対する懐疑的な視線も根強く残っています。
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